yocchan_no_blog3さんのサイトより
https://yocchan-no-blog3.blog.jp/archives/10796513.html
<転載開始>

ウクライナにおけるNATOによる対ロ代理戦争は、今や、ウクライナ軍の敗北が明白な事実となりつつある。トランプ米大統領は和平に向けてロシアとの対話を強化している。その一方で、NATO/西側の各国はトランプの方針に反対し、戦争を継続しようとしている。NATO各国はこの戦争は自国領土内での戦闘ではなく、戦死するのはウクライナ軍の将兵であることをいいことに、好戦派のゼレンスキーを支援し続けて来た。しかしながら、それらNATO諸国も装備や弾薬の在庫が払底しウクライナの要求に応えることはできず、国内経済も低迷しており支援を継続する余力がない。それでも、指導者たちはウクライナ軍が敗北したという戦場の事実を認識したくはないようである。

最近の戦況を見ると、ドネツクにおける要衝と言われていたポクロフスクはロシア軍によって包囲され、陥落の寸前である。

 ロシアのプーチン大統領は、木曜日(1127日)、ロシア軍はポクロフスク市を完全に包囲し、現在その領土の70%を掌握していると述べ、これがドネツク地域におけるモスクワの最も重要な前進の一つとなる可能性があるとした。 しかし、キエフ政府は自国の軍が反撃しており、ロシアの前進の範囲について異議を唱え、市の中心部では激しい戦闘が続いていると主張している。「ドネツクへの玄関口」を確保することは、北にあるウクライナ支配下の主要都市であるクラマトルスクやスロビャンスクへの進軍の出発点となるであろう。(原典:Russia encircles Pokrovsk as intense urban fighting ensues: By Al Mayadeen English, Nov/28/2025

加えるに、電力網が寸断されたウクライナの戦場におけるもうひとつの重要な要素は冬将軍の到来だ。厳寒の中、住民はかってなかった苦難を強いられるであろう。農地は凍結し、ロシア軍の戦車や自走砲といった重機の機動性は一段と高まり、ウクライナ軍の壊滅は素人目にも時間の問題のようである。

ところで、ここに「ウルズラ・フォン・デア・ライエンは現実から完全に乖離」と題された最新の記事がある(注1)。

本日はこの記事を仮訳し、読者の皆さんと共有しようと思う。

EUトップのウクライナ戦争に臨む態度ははたしてどんなであろうか?歴史家である著者が描く欧州委員会委員長の姿を学んでおこう。

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副題:欧州委員会委員長の20251125日の演説は、1812年にナポレオンがロシアに侵攻し、1941年にヒトラーが同じことをした時と同じように頑固で、ナンセンスによって駆り立てられたものであった。

19世紀半ばのシュレースヴィヒ・ホルスタイン戦争を振り返り、パーマストン卿はこう冗談を言った:

「シュレースヴィヒ・ホルスタイン問題は非常に複雑で、ヨーロッパでそれを理解していたのはたった三人しかいない。その一人は故アルバート王子、二人目は狂気に陥ったドイツの教授、そして私は三人目だが、すっかり忘れてしまった。」

パーマストンはヨーロッパでの多くの紛争で交戦国は何のために戦っているのか理解していないことを冗談にしていたのである。

英国、フランス、ドイツはロシアを理解したことはなく、ロシアに対する彼らの政策は常に血も涙もなく、殺人的であり、愚かであった。たとえば、クリミア戦争(1853-56)の名目上の理由は、長くオスマン帝国に支配されてきた地域におけるロシアの影響力の拡大を抑えることだった。言い換えれば、ロンドンの天才たちは黒海におけるキリスト教徒であるロシア皇帝のニコライ1世の統治よりも、むしろ、オスマン帝国の奴隷商人による弱い支配を好んだのであった。

1812年、ナポレオンの顧問であるアルマン=オーギュスタン=ルイ・ド・コローンコー、および、かつての妻ジョセフィーヌ(彼が普段は助言を重んじていた人物)はナポレオンにロシアへの侵攻を思いとどまるよう懇願したが、彼は耳を貸さなかった。

彼の頑なな虚栄心のために、ナポレオンはロシア軍司令官のミハイル・クトゥゾフ将軍が仕掛けた明白な罠を見抜けなかった。それは、ロシア領深くへの戦略的撤退によってフランス軍を導き入れ、冬の到来とともにフランス軍の補給線を過度に伸ばし、ロシアの冬という自然の厳しさがフランス兵に甚大な被害をもたらすというものであった。

19148月にロシアに対して宣戦布告した後、ドイツとオーストリア・ハンガリーは、現在のウクライナ西部にあたるオーストリア領ガリツィアに東部戦線を築いた。19166月、ロシア軍はブルシーロフ攻勢を開始し、ドイツ・オーストリア軍におよそ100万人の犠牲者を出した。今、欧州議会の議員の間でブルシーロフ攻勢について知っている者はほとんどいないのではないかと私は思う。

1941年、フランスでの容易な勝利に酔いしれたヒトラーは、バルバロッサ作戦を開始することを決め、それによってドイツ軍を1812年にフランス軍が経験したのと同じような悲惨な状況に追い込むことになったのである。ドイツ参謀総長のフランツ・ハルダーは強く反対したが、「オーストリア出身の背の低い軍曹」は彼の意見に耳を貸さなかった。

さて、次は20251125日にストラスブールのEU議会で行われたウルズラ・フォン・デア・ライエンの演説だ。これはヨーロッパの歴史上でもっとも意味不明な演説のひとつであるかも知れない。

ウルズラの父方はハノーファー選帝侯国の出で、そのハノーファー家からは狂王ジョージ3世と、その愚かな息子たち、つまり、ジョージ4世と「お馬鹿なビリー」ことウィリアム4世が生まれた。

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ウルズラは、自らの破滅的な決定に対して一切責任を問われないことから、ヨーロッパにとって有害な決定をし続けることができている。パンデミックの際中、彼女はファイザーのCEOアルバート・ブルラとテキストメッセージで個人的なやり取りをし(「Did Ursula von der Leyen & Albert Bourla Mix Business with Pleasure?」を参照)、ヨーロッパ全土に彼のmRNAワクチンを接種させた。今日に至るまで、彼女はこれらのメッセージを公に開示するよう強制されたことはない。また、最近、言論の自由を感染症に例えもした。

今、彼女はウクライナでの戦争を継続し、EU内で収集した税金を汚職や横領、マネーロンダリングを行うキエフの独裁政権に送り続けたいと考えている。

トランプ大統領はロシアとの戦争を続けることは単に米国の利益にならないと彼女に伝えるべきであり、戦争を終わらせるために交渉するのは自分一人だと強調するべきだ。

その際、トランプ大統領は愚かなメルツ首相に対しては、ドイツに35千人の武装した米軍が今も駐留しており、メルツの政府がロシアともうひとつの戦争を行うような愚かなことをしないよう抑えていることを思い出させるべきだ。

今まで以上に、ヨーロッパの「指導者たち」、すなわち、スターマーやマクロン、メルツ、フォン・デア・ライエンは、自分たちの政治的生存のためだけにロシアとの戦争を続ける必要があると認識しているように思える。

彼らは、もしゼレンスキー政権が崩壊し、ゼレンスキー自身もティムール・ミンディチという「財布」に従って、イスラエルに逃亡せざるを得なくなった場合、この極めて腐敗した事業への彼らの関与の具体的な仕組みが明るみに出ることを恐れているのではないか。

ウクライナでの戦争の現実はロシアが意図的、かつ、体系的に特別軍事作戦を開始するよう(西側によって)誘導されていたということだ。ロシアを餌に喰いつかせる目的はロシアを消耗させ、西側の「指導者」たちに次の口実を与えることにあった:

1) 彼ら自身が引き起こした新型コロナ感染症パンデミックの大失敗から皆の注意を逸らすため。

2) 米国のLNG液化天然ガス産業を促進するためにノルドストリームパイプラインを破壊すること。

3) ロシアの財宝を略奪し、軍産複合体の仲間たちを裕福にすること。

4) 独立国家としてのロシアの増大する力を破壊すること。ロシアの力は、長い間、地球全体の支配を望む悪魔的なグローバリストたちにとっては憎しみの対象であった。

5) ロシアの鉱物資源を押収し、西側の政府が今や債務超過である中、さらに大規模な信用拡張を担保すること。

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これで全文の仮訳が終了した。

この記事の著者は、いつもの事ながら、2025年の出来事を長い歴史の延長線上に据えて、われわれ一般読者を歴史の流れの奥深くへといざなってくれた。それに比べると、私のブログは余りにも表面的だと認めざるを得ない。私などは今起こっているひとつの出来事に注目するだけが関の山で、残念ながら、歴史家が見せる数百年にまたがる視点などは持ちようがない。著者の深い洞察には脱帽だ!それに加えて、有難く思う。

著者は西側の指導者らがロシアを誘導して、ウクライナでの特別軍事作戦を起こさせた理由として5項目を挙げた。それらの中で1番目の項目は実に秀逸だと思う。「彼ら自身が引き起こした新型コロナ感染症パンデミックの大失敗から皆の注意を逸らすため」であったと指摘。特にフォン・デア・ライエンにとってはさもありなんである。これは「著者の深い洞察には脱帽だ!」と感嘆した私にとっては、具体的な、まさに格好の洞察だ。

ウクライナは厳しい冬を迎えている。欧州委員会は、現行のウクライナ戦争の初期に、対ロ経済制裁の一環としてロシアがヨーロッパの銀行に所有していた資産を凍結した。そして、今後2年間のウクライナ政府の財政難、ならびに、ヨーロッパ各国の経済不振に直面して、今、その凍結されたロシア資産(総額は1850億ユーロ、約334961億円に相当)の一部を流用し、キエフ政府へ無利子で貸し出そうとしている。米国がウクライナ支援の枠組みから脱退した今、残っている主要な支援国・組織はIMFEUだけ。そして、IMFEUの動きに注目していると言う。つまり、EUの動きそのものがウクライナ支援の行方を決定する状況となっている。今、EU内では議論が続いている。

ウクライナ軍が壊滅する前に、はたしてEUは何らかの最終的な決定に達することができるのであろうか?


参照:

注1:Ursula von der Leyen is Completely Dissociated from Reality: By John Leake, FOCAL POINTS, Nov/26/2025


<転載終了>