https://yocchan-no-blog3.blog.jp/archives/10895411.html
<転載開始>
12月4日の報道によると、ドネツク中部の戦場は劇的に変化した。ロシア軍は数週間にわたる都市戦の末、戦略的な都市であるポクロフスクを完全に制圧し、行政ビルに旗を掲げ、かつてウクライナ軍が拠点を築いていた最後の陣地を掃討した。一方、ミンログラード(Mynrograd)は壊滅的な滑空爆撃の連続と新たなロシア軍の戦術、すなわち、FPVドローンと改造されたMLRSロケットによって投下される降伏ビラの大量配布による攻撃の下で崩壊しつつある。多数のウクライナ兵が集団で降伏した模様。(原典:Russia Took Pokrovsk — Mass Surrenders Begin in Myrnohrad: By , 2025/12/04, https://youtu.be/ZuMh9FGBJII?si=EMyLYL4Qx7TBO-tK)
最強に要塞化されたポクロフスクの陥落は戦略的に非常に大事だと専門家たちが述べている。つまり、これはウクライナの敗北が明確に決まったということだ。
包囲の状況はロシア語を直訳した言葉「大釜」が用いられることが多い。普通は三方を包囲し、一方だけを開けて、撤退できるようにするらしい。しかしながら、出口から首尾よく脱出できたとしても、延々と広がる大地では隠れて移動することがそう簡単ではない。偵察ドローンに発見され、攻撃を受ける。その一方で、大釜の中に残されると、兵士らは戦死するか、投降するかの二択の状況となる。自軍からの補給は途絶え、弾薬や食糧はやがて底をつく。捕虜になったウクライナ兵によると、飢えを忍んで、何とか生きながらえるしかなかったという。
こうして、ウクライナ軍は、今や、壊滅状態である。ポクロフスクでは10,000人~15,000人もの将兵が失われ、他の前線でもポクロフスクと同様の状況に陥りつつあるようだ。今朝(12月7日)の報道によると、ミルノグラードでも2,000人から3,000人の将兵がロシア軍による大釜に陥って、投降が始まっているらしい。
キエフ政権は前線の将兵らを救出しようとはしない。トップの連中は自分自身の政治的、あるいは、物質的な利益を最大化することに精一杯だ。すなわち、西側からの支援を引き出すための動きしかせず、前線の将兵のことなど眼中にはない。これはもう完全に狂気だ。これでは、ウクライナ国内は間違いなく分断する。たとえば、軍部と諜報部門とが仲たがいをしているらしい。民意は政府から離れる。今になって政府にすっかり騙されていたことに気付く。
ここに、「ロン・ポール:本物のウクライナ和平計画」と題された記事がある(注1)。
本日はこの記事を仮訳し、読者の皆さんと共有しようと思う。
28項目の和平計画はこの状況を解決することはできない。本物の解決策はもっと簡単だ。手を引くだけだ」
以下の短文は元テキサス州選出の米下院議員のロン・ポールによって書かれたもので、彼のによって公開された。

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先週、ウクライナ戦争の和平案の草案が突然発表され、ほぼ三年間続いた流血の紛争がついに終わるのではないかという希望を抱かせた。ウクライナは酷い損失を受けており、その影響は今後数十年間にもわたって同国の人口動態を変えそうだ。
もしもこの和平案がすべての当事者を満足させる形で交渉が進展し、銃声がついに止むならば、私は真っ先に歓声を上げるであろう。しかし、現行の紛争の性質や起源を理解できてはいないままであることから、こうした形で本当の和平が実現できるかどうかについては私は極めて懐疑的である。
2000年代初頭のオレンジ革命から2014年のマイダン革命に至るまで、米国とそのNATOの同盟国はウクライナを自国よりも遥かに大きく、より強力な隣国であるロシアに対して敵対的な立場に導こうとして、ウクライナの内政に干渉をし続けてきた。
われわれは2014年のクーデターが米国によっていかに直接的に調整されていたかという事実を忘れてはならない。ジョン・マケインやリンジー・グラムを含む米国の上院議員たちは外国の首都の中心広場に立ち、国民によって正当に選ばれた政府を打倒するよう要求していた。ヴィクトリア・ヌーランドは、クーデター後の政府を誰が運営するかについて電話で計画している内容をリークされた。
外部からの介入がわれわれを今日の悲惨な状況に導いたのである。この和平合意もまた同じ介入の一章に過ぎず、米国とそのパートナーたちは、そもそも自分たちが引き起こした問題をなんとか管理・解決しようとして必死になっている。外部介入によって生じた問題をさらに介入することよって解決できるのであろうか?
この紛争の間、政治家やメディアは起こったことの責任の全てをロシアに押し付けることに一貫して注力してきた。彼らが決して天使ではないことについては私も同意する。しかし、真の悪役は米国の新保守主義者(ネオコン)とそのヨーロッパの同盟者たちであり、ウクライナがロシアに立ち向かうのは自殺行為であることを知りつつも、ウクライナに戦闘を続けさせてきたのである。紛争初期には戦争を終わらせる合意がテーブル上に提出され、ほぼ署名されるところであったが、元英国首相でネオコンのボリス・ジョンソンがウクライナに戦闘を続けるよう要求した。
ここでの被害者はウクライナであることに私は同意する。しかし、ウクライナはロシアだけでなく、米国やヨーロッパのネオコンたちの被害者でもある。彼らはNATOをロシアの玄関先にまで拡大しても何の影響も受けないと信じていた。もしも立場が逆で、敵対的な中国が米国を標的とする新しいラテンアメリカの軍事同盟を結成したとしたら、われわれは自国の南部国境に軍事基地が建設されるのをただ見ているだけであろうか?私にはとてもそのようには考えられない。
トランプ大統領は選出されてから24時間以内に戦争を終わらせると約束した。それは非現実的な誇張であったが、実際にはかなり早く戦争を終わらせることが可能だった。介入に対する解毒剤は非介入である。バイデンが私たちを戦争に引きずり込んだということは確かにその通りだ。しかし、トランプは、単純に言って、米国の関与をすべてやめることで撤退させることができたであろう。武器も、情報も、協力もなしにすることによって。制裁や制裁の脅しも不要、複雑な和平案さえも不要だった。
真の和平協定は、ウクライナが、たとえNATOの支援があったとしても、ロシアの戦争機械に立ち向かえると信じること自体が極めて愚かであったということを認識させるであろう。ウクライナにわれわれの代理戦争を遂行させ、ウクライナ人が最後の一人になるまで戦い抜くことを要求するのは想像を絶するほどに残酷である。
28項目から成る和平計画ではこの紛争を解決することはできない。本当の解決策はずっと単純だ:手を引くことだ。
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これで仮訳が終了した。
ロン・ポールの記事にはきらりと光る言葉がある。たとえば、「介入に対する解毒剤は非介入である。」本質を突いた言葉だと思う。
そして、歴史的に見た解説の内容も絶妙だ。奇しくも、この観点は、小生が非力ながらもこのブログや引っ越しをおこなう前の旧ブログでかねてからご紹介して来た諸々の記事と共通した概念である。
何時もの事ながら、ロン・ポールの言葉には均衡のとれた思考がはっきりと読み取れるので、安心して読み進めることができる。思うに、彼のような人物がどうして米国大統領になれなかったのか、実に不思議である。
参照:
注1:Ron Paul: "A Real Ukraine Peace Plan": By John Leake, FOCAL POINTS, Nov/30/2025
<転載終了>