日本の債権国として受け取る収入を調べてみました。


2025年現在、日本は世界有数の対外資産を保有しており、そこから生じる利子や配当などの収入(第一次所得収支)は日本の経済を支える大きな柱となっています。 
主な収入状況は以下の通りです:
1. 第一次所得収支(投資収益など) 
日本が海外に持つ資産から得られる利益の合計です。2025年の最新データでは、投資収益の拡大により黒字幅がさらに拡大しています。 
  • 2025年度上半期(4〜9月)の状況: 経常黒字が17兆5,128億円(前年同期比14.1%増)に達しており、その主因は第一次所得収支の好調にあります。
  • 直近の月次データ: 2025年10月単月でも、投資収益の拡大により2兆8,335億円の経常黒字を記録しています。 
2. 対外純資産の規模
日本が海外に保有する資産(対外資産)から負債(対外負債)を差し引いた「対外純資産」は、収入を生む基盤となります。 
  • 資産残高: 2024年末時点の対外純資産は533兆500億円で、6年連続で過去最大を更新しました。
  • 世界順位: 長年世界1位を維持してきましたが、2024年末時点でドイツ(約569兆7,000億円)に抜かれ、34年ぶりに世界2位となりました。 
収入の内訳
債権国として受け取る収入には主に以下のものが含まれます:
  • 証券投資収益: 海外の国債や社債の利子、株式の配当金。
  • 直接投資収益: 日本企業の海外子会社などからの配当や内部留保。
  • その他: 為替変動(円安)により、外貨建て資産を円に換算した際の評価額や受取額が増加する効果も寄与しています。 
日本は貿易収支が赤字傾向になる時期もありますが、この膨大な対外資産から得られる「所得収支」がそれを補い、国全体の経常収支を黒字に保つ構造になっています。
財務省
https://www.mof.go.jp/policy/international_policy/reference/balance_of_payments/preliminary/pg2025
hfy.htm#:~:text=%E2%85%A0%E7%B5%8C%E5%B8%B8%E5%8F%8E%E6%94%AF&text=%E3%
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令和7年度上期中 国際収支状況(速報)の概要

経常収支

 前年同期比
貿易・サービス収支▲1兆8,109億円+2兆6,468億円 (赤字幅縮小)
 貿易収支494億円+2兆4,095億円 (黒字転化)
 輸出52兆6,556億円+3,263億円 (+0.6%増加)
輸入52兆6,062億円▲2兆0,832億円 (▲3.8%減少)
サービス収支▲1兆8,603億円+2,373億円 (赤字幅縮小)
第一次所得収支22兆2,758億円+4,608億円 (黒字幅拡大)
第二次所得収支▲2兆9,521億円▲9,466億円 (赤字幅拡大)
経常収支17兆5,128億円+2兆1,610億円 (黒字幅拡大)

「経常収支」は、「貿易収支」が黒字に転化したこと等から、黒字幅を拡大した。

1.貿易・サービス収支:▲1兆8,109億円の赤字(前年同期比+2兆6,468億円赤字幅縮小)

「貿易収支」が黒字に転化したこと等から、「貿易・サービス収支」は、赤字幅を縮小した。

(1) 貿易収支:494億円の黒字(前年同期比+2兆4,095億円黒字転化)

輸出額が増加し、輸入額が減少したことから、「貿易収支」は黒字に転化した。

  1. 出:52兆6,556億円(前年同期比+3,263億円[+0.6%]増加)

  2. 入:52兆6,062億円(前年同期比▲2兆832億円[▲3.8%]減少)

[参考1]令和7年度上半期分貿易統計(通関ベース:財務省関税局10月30日付公表)

(1) 輸出:53兆6,529億円(確報値:前年同期比+1,057億円[+0.2%]増加、数量:同+0.1%増加、価格:同+0.1%増加)

  1. 「商品別」では、半導体等電子部品(同+1,313億円 [+4.2%])、食料品(同+1,039億円[+18.2%])、金属加工機械(同+418億円 [+8.2%])等が増加。

  2. 「主要地域別」では、対アジア(同+8,837億円 [+3.1%])、西欧(同+2,834億円 [+4.8%])等が増加。

(2) 輸入:54兆8,868億円(9桁速報値:前年同期比▲1兆8,147億円[▲3.2%]減少、数量:同+4.5%増加、価格:同▲7.4%減少)

  1. 「商品別」では、原粗油(同▲8,442億円[▲15.7%]、数量:同+3.9%)、石炭(同▲7,053億円[▲31.6%]、数量:同▲3.1%)、液化天然ガス(同▲3,300億円[▲11.3%]、数量:同▲4.0%)等が減少。

  2. 「主要地域別」では、対中東(同▲1兆203億円[▲15.8%])、大洋州(同▲7,581億円[▲17.1%])等が減少。

[参考2]原油価格(石油連盟の資料により財務省で算出)

  1. ドルベース:73.68米ドル/バレル(前年同期比▲15.0%)

  2. 円ベース:67,766円/キロリットル(前年同期比▲18.8%)

(2) サービス収支:▲1兆8,603億円の赤字(前年同期比+2,373億円赤字幅縮小)

「旅行収支」が黒字幅を拡大したこと等から、「サービス収支」は赤字幅を縮小した。

[参考3]訪日外国人旅行者数(令和7年度上期):21,112,618人(前年同期比+15.2%)

出国日本人数(令和7年度上期):7,340,401人(前年同期比+13.6%)

(出典:日本政府観光局(JNTO)の資料により財務省で算出)

2.第一次所得収支:22兆2,758億円の黒字(前年同期比+4,608億円黒字幅拡大)

「直接投資収益」が黒字幅を拡大したこと等から、「第一次所得収支」は黒字幅を拡大した。

経常収支の推移

金融収支

 
直接投資12兆7,159億円12兆3,063億円
証券投資▲7兆9,956億円▲3兆7,138億円
 株式・投資ファンド持分▲6兆7,226億円6,899億円
中長期債▲6,752億円▲8兆3,155億円
短期債▲5,978億円3兆9,119億円
金融派生商品1兆3,103億円3兆7,127億円
その他投資9兆5,975億円▲1兆5,851億円
外貨準備2兆7,026億円2兆5,949億円
金融収支18兆3,308億円13兆3,150億円

「直接投資」において純資産が増加したこと等から、「金融収支」は純資産が18兆3,308億円増加した。

1.金融収支・資産(居住者による投資)

(1) 対外直接投資:14兆9,330億円の資産増

本邦企業による海外企業の増資引受け等がみられ、資産増(実行超)となった。

(2) 対外株式・投資ファンド持分投資:▲668億円の資産減

信託銀行(信託勘定)が売り越しとなったこと等から、資産減(処分超)となった。

(3) 対外中長期債投資:10兆8,462億円の資産増

信託銀行(信託勘定)が買い越しとなったこと等から、資産増(取得超)となった。

2.金融収支・負債(非居住者からの投資)

(1) 対内直接投資:2兆2,171億円の負債増

本邦企業による海外関連会社からの借入等がみられ、負債増(実行超)となった。

(2) 対内株式・投資ファンド持分投資:6兆6,558億円の負債増

電気機器等の業種において買い越しとなったことから、負債増(取得超)となった。

(3) 対内中長期債投資:11兆5,213億円の負債増

その他債券が買い越しとなったこと等から、負債増(取得超)となった。

[参考4]ドル・円相場(インターバンク直物相場・東京市場中心値の期中平均レート)

145.99円/米ドル(前年同期:152.51円/米ドル、前年同期比4.3%の円高)

ユーロ・円相場(インターバンク直物相場・東京市場17:00現在レートの期中平均レート)

168.07円/ユーロ(前年同期:165.83円/ユーロ、前年同期比1.4%の円安)