yocchan_no_blog3さんのサイトより
https://yocchan-no-blog3.blog.jp/archives/11307570.html
<転載開始>

新年早々、トランプ政権はベネズエラで政権転覆のための武力介入を行い、マドーロ大統領が拘束された。昨年の9月、麻薬を輸送していたとされるベネズエラの小型ボートが銃撃され、3人が殺害された。さまざまな情報が飛び交っている。ベネズエラに対するこれらの一連の米国の動きに関するひとつの仮説は、米国は世界で最大級の埋蔵量を持つベネズエラの石油を支配することが目当てかも。この仮説はイラク戦争、シリア内戦、イランとの緊張、等の底流にも通用する。そして、ウクライナにおけるNATOによる対ロ代理戦争も然りである。

米国のネオコンたちが描いた対ロ代理戦争の筋書きはこうだった。ロシアを攻撃し、ロシア経済を疲弊させ、国民がプーチン政権に反旗を翻すよう促し、プーチン政権が失脚したら、ロシアを分断し、ロシアのエネルギー資源や鉱物資源を只同然で入手するというものであった。しかしながら、ウクライナの敗北によって目標の未達成がほぼ確実となった。

巷では、米国が軍事力を見せびらかす次の舞台はイランではないかと囁かれている。あるいは、グリーンランドかも知れない。そして、2026年は米国では中間選挙の年でもあることから、対外政策は国内政策に引っ張られる。国内問題を最優先とせざるを得ないのだ。

果たして、2026年の国際情勢はいったいどのような展開となるのであろうか?

ここに、「2026年は平和をもたらさないが、明白にしてくれるだろう」と題された記事がある(注1)。

本日はこの記事を仮訳し、読者の皆さんと共有しようと思う。

***

副題:古い世界は崩壊しつつあるが、新しい世界はまだ生まれてはいない


Picture1

Photo-1: © Dasha Zaitseva/Gazeta.Ru

2025年が過ぎ去り、私たちの前には不満と不確実性が入り混じった奇妙な感覚が漂っている。一年前には、安定や外交の刷新のための本物の機会が来るように思えた。しかし、ほとんどの機会は無駄にされ、世界はさらに混乱の深みに嵌って行った。古い制度、馴染みのあるルール、長年維持されて来た同盟は誰もが予想したよりも早く崩壊した。さらには、それらに代わるものが何になるのかは未だ不明である。

イタリアのジョルジャ・メローニ首相さえもが国際社会の雰囲気を率直に次のように総括している:昨年は悪かった、そして、次の年はもっと悪いかも知れない。だが、われわれは悲観に屈するべきではない。論理的には、2026年には少なくとも最初の明確な兆しが見えて来る筈だ。可能性のあるシナリオの輪郭が、今や、見えてきている。

ロシアにとっては、中心的な問題は依然としてウクライナ紛争であって、現在、5年目に入っている。特別軍事作戦の開始以降初めて、この危機を終わらせる条件が形成され始めていると言える実質的な根拠が存在する。

2025年には、この分野においてふたつの決定的な展開があった。第一に、米国は事実上親ウクライナ連合から撤退し、キエフへの物資支援を大幅に削減し、名目上の調停者としての立場に自国の位置を変えた。第二に、欧州連合は米国抜きでロシアに対抗し続けるための政治的意思も財政的余力も欠いていることが明らかになった。

12月の首脳会議で、EUの指導者たちはウクライナ支援のためにロシアの凍結資産、2100億ユーロの使用について合意に達することができず、さらには、900億ユーロの融資パッケージの承認にも苦戦した。そもそも、この金額はキーウ政府の構造的財政危機を解決するには十分ではない。EUの資源は限られており、EU内部の結束も脆弱である。

Picture2
Phoro-2

関連記事:‘This show was for everyone – not just Latin America:’ Russian experts assess Trump’s Venezuela gambit

このような状況の中で、ロシアが2026年までに自国に有利な条件で作戦を完了する可能性は高まっている。ワシントンで流通している最新の提案は、モスクワが長年にわたって示して来た解決策にずっと近いものに見える。残されているのは主要な未解決問題に関するキエフ側への圧力だ。何よりも、ウクライナ軍のドンバスからの撤退である。

しかし、タイムラインは自信を持って予測することはできない。多くの事項は軍事的な現実に依存している。すなわち、それはロシア軍が前線で決定的な突破を達成する能力であり、ウクライナ軍がそれを阻止できるかどうかである。

ウクライナの防衛が現在まったく進展してはいない状況を考えると、キエフ政府の主要な政治戦略は今や遅延戦術であるように見える。残された唯一の望みは11月の米国の中間選挙まで持ちこたえることにあって、その後、ウクライナ寄りの民主党政権が再び影響力を持つかも知れないという信念に基づいている。しかし、そのシナリオは計画というよりは奇跡に近い。

米国の選挙自体が世界的に大きな注目の話題となる。中間選挙によって、ドナルド・トランプが重大な制度的抵抗なしに統治を続けることになるのか、あるいは、任期の後半で野党が支配する議会と共存を余儀なくされるのかが決まる。

ホワイトハウスがそのような結果を避けるためにあらゆる手段を講じるであろうことは明らかだ。したがって、トランプの2026年の政治戦略は内向きにシフトする可能性が高い。彼の優先事項は国内問題である。インフレ、食料価格、住宅価格の手頃さ、そして、絶え間のない選挙運動に注力することになろう。彼の国際問題における役割は一時的に後退するかも知れないが、それは外交政策がワシントンにとって重要ではなくなったからというわけではなく、選挙の方が重要だからである。

Picture3
Photo-3

関連記事: RT’s ultimate look back at 2025: Here is how we questioned more

たとえトランプが対外関係で活動的であったとしても、彼の行動は選挙における利益が優先する可能性が高い。同政権は迅速な解決が非現実的だと判断すれば、有害で疲弊を招きかねないウクライナ問題からは距離を置くかも知れない。同時に、トランプはヒスパニック系有権者への訴求を図るために南米と向き合い、同様の政治的理由からアフリカを含む海外のキリスト教系のコミュニティに対する擁護者として自らを位置づけるかも知れない。貿易紛争や伝統的な米国の同盟国との規制上の対立さえもが激化する可能性が高い。これは、米国第一主義運動の勢力や米国の主要なテック企業が自分たちに有利な政策を形成しようとするからだ。

一方で、ヨーロッパもそれ自身の転換点に直面するであろう。4月にはハンガリーで議会選挙が行われ、ヴィクトル・オルバーンにとっては難しい結果となる可能性がある。現在の世論調査では、彼のフィデスズ党はペーター・マジャルの「ティサ」運動に後れを取っている。ウクライナやブリュッセルに対するオルバーンの妥協を許さない姿勢を拒否するフィデスズ党の元内部者であるマジャルがオルバーンを追い落とす可能性も排除できない。

英仏海峡の向こう側では、英国の首相キア・スターマーも政治的な責任に直面する可能性がある。彼はすでに史上最も不人気な英国の指導者であり、労働党内での不満とも戦っている。5月の地方選挙は彼の指導力の危機における最終的な引き金となる可能性がある。弱い選挙結果は、スターマーをボリス・ジョンソンと同じ道へと押しやるかも知れない。その場合、有権者によってではなく、党内の反乱によって交代させられることになる。

ドイツのフリードリヒ・メルツ首相とフランスのエマニュエル・マクロン大統領は現時点では比較的安全に見える。しかし、それはあくまでも相対的なものだ。メルツは低い支持率と与党連立内での抗争に直面している。マクロンは完全には掌握したことのない反抗的な議会によって依然として制約を受けている。どちらの指導者も直ちに危険にさらされているわけではないが、両者とも予想以上に早く危機に陥る可能性がある政治的構造の上に立っている。

Picture4
Photo-4

関連記事: Fyodor Lukyanov: The West gambled on Russia’s defeat, and trapped itself instead

また、国際機関自体に関する未解決の問題もある。G7やG20はトランプの対立的なスタイルを乗り越えることができるのだろうか。中国は代替的な国際構造への関心を再び取り戻すのであろうか。アントニオ・グテーレスの後任の国連事務総長は誰になるのか、そして、国連は秋までに悪名高いエスカレーターを修理できるのであろうか。(訳注:国連での「エスカレーター」での出来事とは昨年の9月23日にトランプ大統領が国連総会に出席した際に起こった三つの不愉快な出来事の内のひとつ。トランプによると、彼とファーストレディのメラニア・トランプを運ぶエスカレーターが「ピタリと止まった」ことで、ニューヨークでのサミットへの順調な到着が一気に妨げられたとのこと。トランプは、夫妻が「鋭い金属の階段に顔から前に落ちることはなかった」ことに安堵の表情を見せた。他の2件はテレプロンプターとビデオ。)

世界は不確実性を抱えたまま2026年を迎えているが、方向性を失っているわけではない。旧秩序は消えつつあるけれども、その後継はまだ定まっていない。この混乱の中、ロシアはウクライナ紛争を自分たちの条件で終結させる可能性に2022年以降でもっとも近づいている。その結果がこの新年にはやって来るのか、あるいは、それ以降になるのかは外交よりも戦場における現実、そして、キエフとその西側の支援国が5年前に想像していたものとは大きく異なる新たな世界を受け入れる準備ができているかどうか次第である。

ひとつだけ確かなことがある。それは、新年は退屈にはならないということだ。今後の12か月間には、決定的な選挙、脆弱な政府、そして、依然として安定性を模索している国際システムの姿が予見される。まだ完全には形が見えてはいない未来に向けて・・・

注:この記事はオンライン新聞のGazeta.ruに初めて掲載されたものであって、RTのチームによって翻訳・編集された。

***


これで全文の仮訳が終了した。

この記事はロシアのRTによるものであることから、読者の皆さんはロシア側の観察内容や将来像を大なり小なり探ることが出来ると思う。西側の主要メディアが描く2026年像との比較をしてみたら、それは結構興味深い初仕事になるのではないか。


参照:

1:2026 may not bring peace,but it may bring clarity: By Vitaly Ryumshin, journalist and political analyst, RT, Jan/05/2026


<転載終了>