yocchan_no_blog3さんのサイトより
https://yocchan-no-blog3.blog.jp/archives/11341642.html
<転載開始>

米国はベネズエラへ軍隊を派遣し、マドウーロ大統領夫妻を拘束し、ニューヨークへ連行した。

ニューヨークの刑務所へ放り込まれたベネズエラ大統領夫妻についてCNNは次のように報じている。その冒頭だけを抜粋しておこう:

彼らは宮殿から「大きな家」(訳注:刑務所を指す)へと移動した。ニコラス・マドゥーロとその妻シリア・フローレスの二人はニューヨークのブルックリンにある悪名高い「メトロポリタン拘置センター」(MDC)で新しい日常生活に慣れるにつれて、ふたつのことが起こると予想される。つまり、不快に感じるではあろうが、安全は確保される。

「本当に地獄のようだ」と、連邦刑務所について見識のあるコンサルタントのサム・マンゲルはCNNに語った。「空調設備はほとんどない。暖房もほとんどない。囚人にはそれぞれウールの毛布が1枚支給される。金属の板の上に敷かれる非常に薄い5センチ厚さのマットレスと枕の組み合わせだけだ。」

失脚したベネズエラの大統領とファーストレディは停電や職員不足、囚人たちからの苦情の記録で知られている連邦刑務所のMDCに収容された最新の高名な被拘禁者となる。

CNNは夫妻が具体的にどのように扱われているのかを正確に把握することはできなかった。刑務所当局も夫妻を代理する弁護士もコメントの要請には返事をくれなかった。(出典:Separate and alone: How Nicolás Maduro and his wife can expect to be treated in jail: By Brynn GingrasMark MoralesAlisha Ebrahimji and Sarah Boxer, CNN, Jan/07/2026

ベネズエラ大統領であるからといって、何らかの特別な扱いは受けてはいないようだ。

ここに「べネズエラについてスメドレー・バトラーはいったい何と言うであろうか」と題された記事がある(注1)。

本日はこの記事を仮訳し、読者の皆さんと共有しようと思う。


***

副題:生活水準を維持するために石油に依存し、政治的には不安定な国、重く硫黄分の多い原油の問題、機嫌を損ねたエクソンモービルとコノコフィリップス、そして、打撃となった米国による制裁

私はベネズエラが誇る原油は重く、硫黄分が多いということを知ってはいたが、ベネズエラの石油の大部分がアスファルトのような粘度を持ち、流動させるには膨大な量の希釈剤が必要であるということは、今朝まで、気づいてはいなかった。

この厳然たる事実こそが1980年代と1990年代にベネズエラ経済が揺らぎ始めた主な原因であった。私は1998年にウェスト・テキサス・インターミーディエイト原油の価格が1バレルあたり11ドルに下落した時のことを今でも鮮明に覚えている。私はテキサスで育ち、祖父は石油業界の銀行家だったので、非常に注意深く観察していた。

その価格では、誰もベネズエラの重質原油を採掘・精製して利益を出すことは不可能だった。

石油に絶望的に依存する国でのこの厳しい経済の現実に直面し、― 石油に恵まれた国が多様化や人的資源の開発には失敗する「資源の呪い」の典型的な例 ― 貧困が増すばかりのベネズエラの人々は、かつての南米的な政策を掲げて選挙演説を行ったチャベスを選んだ。彼は、裕福なヤンキーやその他の外国人がベネズエラの石油であまりにも裕福になり、ベネズエラの人々が正当に受け取るべき分を奪っていると訴えたのである。

2007年、チャベスはオリノコ川東部一帯の石油プロジェクトに関して最低60%を国営企業(PDVSA)が保有することを義務付ける新しい規則を導入した。これにより、以前からの合弁事業は、エクソンモービル、コノコフィリップス、シェブロンなどの外国企業による少数パートナーシップへと変わった。この措置は、カルロス・アンドレス・ペレス大統領時代の1976年の国有化(PDVSA創設)を強化するもので、当初は民間投資も認められていた。

シェブロンは新しい条件を受け入れ、十分に高い原油価格の時には40%の持分でさえも控えめな利益をあげ続けた。エクソンモービルとコノコフィリップスは不満を抱き、ワシントンの知人たちに苦情を伝えた。2014年、(常にウォール街の子飼いであった)オバマは制裁を課し、トランプ大統領は2017年にそれを大幅に強化した。

ベネズエラ原油の採掘や精製にかかる高コストの構造、そして、通常の不安定な国家における汚職や管理不行き届きに加え、米国の制裁はベネズエラ経済に壊滅的な影響を与え、ベネズエラの世帯の90%以上が貧困ライン以下に陥る最後の一押しとなった。

これらの事実がこの投稿での大きな疑問点に繋がって行くのである。米海兵隊のスメドレー・バトラー少将はベネズエラの状況についていったい何と言うであろうか?

1940年に亡くなった時点で、彼は米国史上最も多くの勲章を受けた海兵隊員であった。34年間の軍隊での勤務の中で、彼は米比戦争、義和団の乱、メキシコ革命、第一次世界大戦に従軍した。

しかしながら、第一次世界大戦後のある時点で、彼は自分の職業に対して深刻な疑念を抱き始めた。時間をかけて研究と熟考を重ねた結果、彼は自分が米国民のために戦い、敵を殺してきたのではなく、ニューヨークやワシントンのエリートたちの特別な利益のために生きてきたのだという結論に達した。

1935年の著書「戦争は利権である」で彼はこう言った。鮮明に記憶に残る言葉である:私は1914年に米国の石油利権のためにメキシコ、特に石油産業の中心地であるタンピコ市を安全にする手助けをした。私はハイチやキューバをナショナル・シティ銀行の人たちが収益を挙げるのに適した場所にする手助けをした。私はウォール街の利益のために、中米のいくつかの共和国を略奪するのに関わった。利権活動の記録は長い。私は1909年から1912年にかけて、ブラウン・ブラザーズという国際的に活動する銀行のためにニカラグアを浄化する手助けをした。私は1916年に米国の砂糖利権のためにドミニカ共和国に光をもたらした。中国では、スタンダード・オイルが邪魔されずに商売が出来るように手助けした。

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ベネズエラの状況はまさにスメドレー・バトラーが述べた古典的な台本そのものである。貧しい南米の国で石油が発見されたが、その国の制度は著しく未発達で、長年にわたり経済の発展や多様化に苦しんできた。米国の主要な石油会社が石油産業を開発しにその国へ参入し、(当然ながら)その利益の多くを入手しようとするのである。

しかしながら、多様化の欠如や腐敗、そして、このような未発達国にありがちな諸々の欠点が石油会社と国家の無能な政治体制との間に対立をもたらす。

石油会社はワシントンの友人たちに不満を訴え、石油会社の利益のためにその状況を是正するためにスメドレー・バトラーが派遣される。

しかしながら、ベネズエラの場合、状況はほぼ間違いなく、米国の納税者にとってはるかに複雑で費用のかかるものとなるであろう。なぜならば、ベネズエラの石油産業を収益化するには何年もかかり、数十億ドルの投資が必要だからである。米国政府は、間違いなく、米国の石油会社に対して膨大なインセンティブと軍事的保護を提供しなければならないだろう。

ベネズエラの人々は、おそらく、米国の制裁が解除されることによって短期的な利益を享受するだろう。そして、この貧困の改善は、間違いなく、 非常に大げさで自慢げな形で  米国の手腕のおかげであると見なされることであろうが、そもそもこれらの破壊的な経済制裁を課したのは米国であったことは簡単に見落とされる。

しかし、一般ベネズエラ人の生活水準を実質的に向上させるには、依然として何年もかかるであろう。その間、米国は、おそらく、将来発生する社会的不安や不安定さに対応せざるを得なくなる。それは、ベネズエラの石油産業への再投資を守るためだ。

CIAが米国の納税者のお金でさまざまな問題児に数十億ドルを支払うという慣行は、現在では広く理解されているが、さまざまな問題児らは報酬を手にするために問題を引き起こすという逆効果を生み出す。

マドゥーロの拉致が戦争行為ではなかったという考えは馬鹿げている。CIAはデルタフォースのチームが彼の宮殿に侵入し、犠牲者をひとりも出すこともなく彼を捕まえられるように、彼の警備隊には多額の報酬を支払い、拉致行為には介入させなかった。

今後、米国が同国や新たな傀儡たちに対して一貫して意志を貫こうとするならば、軍事力を行使してそれを裏付ける意思があることを示さなければならないだろう。

おそらく、今回米国によって行われた極めて機能不全な国家への介入は、関係するすべての当事者にとっては簡単、かつ、有益なものとなるのかも知れない。私もそうであってほしいと思うが、トランプの子供じみた取り巻きたちが考えているほど簡単には行かないだろう。

ちなみに、私はトランプ大統領を支持しており、2016年以降、一貫して彼を支持し、擁護して来た。そのために社会的に孤立することもあった。私は自由な市民であり、教養あるひとりの人間として個人的にどれだけ彼を気に入っていようとも、大統領を批判する権利は行使し続ける。私はこれまで誰かに媚びへつらうことはなく、55歳の今になってそれを始める積りは毛頭ない。

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これで全文の仮訳が終了した。

引用記事の著者は歴史家であるだけに、今回米国が行ったベネズエラへの武力介入に関しての背景描写は実に豊富である。その点がこの記事を読み応えのあるものにしている理由であるように思う。何時ものことながら、賛辞をお送りしたい。

ここで、ベネズエラで展開している局地的な場面から地政学的なチェス盤へと舞台を一転させてみよう。トランプ大統領の取り巻きたちが引き起こした原油埋蔵量が世界でも一番と言われているベネズエラにおける金儲け作戦とは完全に異なった、まったく別個の台本が見えて来そうだ。

『【緊急事態】小泉防衛相「警告は終わりだ」南鳥島で自衛隊が"実力行使"...!?中国船団を罠にハメたトランプ×高市の「北極圏包囲網」がヤバすぎる:異論速報https://youtu.be/EdFOM8Fnnm0?si=jkEjp4QqCZMzzCMvJan/10/2026』に注目していただきたい。この動画で私が注目したい点は、ベネズエラ、南鳥島、グリーンランドという三つの地点を地政学的に見た場合に現れて来る全体像である。それをじっくりと考えてみていただきたい。

高市首相による外交や内政における変革が進展する中、2026年は真実を嗅ぎ取り、真実を把握することがわれわれ一般庶民にも求められる年となって来るようである。


参照:

1What Would Smedley Butler Say about Venezuela?: By John Leake, Jan/07/2026


<転載終了>