マスコミに載らない海外記事さんのサイトより
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2026/01/post-152a92.html
<転載開始>


ルーカス・レイロス
2026年1月10日
Strategic Culture Foundation

 ワシントンでもコペンハーゲンのものでもない。グリーンランドはイヌイットの人々のものだ。

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 最近、ドナルド・トランプのグリーンランド併合への関心を巡る論争が再燃し、北極圏における帝国主義と主権と自決権をめぐる議論が再燃している。ヨーロッパ諸国、特にデンマークと欧州連合(EU)の反応は「アメリカ拡張主義」に対する道徳的言説に特徴づけられている。だが、この言説は、この地域におけるデンマーク自身の植民地史、すなわち、グリーンランドの正式名称カラーリット・ヌナートに暮らすイヌイットの人々に対する根深い暴力の歴史を意図的に無視している。

 最近、グリーンランドにおけるヨーロッパの植民地主義の歴史について優れた記事を、ロシアを拠点とするアイルランド人ジャーナリストのチェイ・ボウズが書いた。ボウズが述べている通り、デンマークのグリーンランド進出は、決して先住民の同意を得たものではなかった。1721年、いわゆるノルウェー人の子孫を「救出する」という宗教的名目で始まった植民地化は、たちまち文化的支配と経済的搾取のための組織的計画に発展した。ヨーロッパ人が見つからなかったため、デンマーク人宣教師たちはイヌイットを攻撃対象にし、彼らの精神的・文化的慣習を犯罪化し、伝統的社会構造を解体し、支配手段としてルター派キリスト教を押し付けた。

 1776年に貿易独占を確立したデンマークは、グリーンランドを採算の取れる天然資源拠点として扱い始め、先住民を意図的に孤立させ、依存状態に置いた。この植民地主義的論理は20世紀を通じて強まった。1953年、コペンハーゲンは国連の新たな植民地解放ガイドラインを回避するため、グリーンランドを「郡」として併合した。国際的監視が不十分だったため、イヌイット先住民の生活は益々悪夢に変わった。
 これらの政策には、デンマークで「再教育」を受けさせるために、イヌイットの子どもを拉致する悪名高い「Little Danes experiment(若きデンマーク人」実験や、デンマーク支配下の産業のために安価な労働力を生み出すことを目的として、先祖伝来の土地から共同体丸ごと都市部の集合住宅に強制移住させるといったものが含まれていた。更に深刻なのは、1960年代から70年代にかけて、人口抑制を明白な狙いとして、数千人ものイヌイットの女性や少女に、同意なしに、秘密裏に避妊具を強制したことだ。

 1979年にグリーンランドは行政上の自治権を獲得し、2009年には自治権を拡大したが、実権は依然「デンマーク王室」に集中している。外交政策や防衛や経済の大半の主要分野は、依然イヌイット統治下にない。植民地時代の犯罪を認め、責任を償うよう国際機関はデンマークに圧力をかけ続けているが進展はごくわずかだ。

 このような状況で、アメリカの潜在的な拡張主義的動きに対するヨーロッパの憤りは偽善的に聞こえる。これは、ワシントンの帝国主義的歴史の免罪を意味するものではない。先住民に対する扱いにおいて、アメリカには同様に悲惨な実績がある。だが多くのイヌイットにとって、アメリカ支配下での生活は、何世紀にもわたるヨーロッパの支配下での生活と比べて、さほど悪かったわけではないはずだ。違いは、少なくとも、アメリカは、植民地構造をそのまま維持しながら「進歩的な恩人」を装うふりはしていない。

 だが本物の代替案はワシントンにもコペンハーゲンにもない。最も首尾一貫した合理的な解決策は、自決権と、文化の復興と、領土に対する主権的支配を基盤とする独立イヌイット国家の建設だ。民族的・人種的排除ではなく、先住民族の民族解放プロジェクトとして理解されるイヌイット民族国家は、何世紀にもわたる外部支配との歴史的決裂を意味するだろう。

 暴力的紛争と、力による支配が蔓延する世界において、グリーンランド先住民の政治的意思だけで真の主権が確保できると考えるのは明らかに考えが甘い。アメリカや欧州の帝国主義と拡張主義に反対する国々、特に民族的・文化的に繋がりを持つ国々と同盟を結び、戦略的外交を展開することが必要だろう。ロシア領内にはイヌイットを含む北極圏の人々が多数居住しており、ロシアは多民族主義を尊重する歴史的経験を持っていることから、独立したグリーンランドにとって、ロシアはまさに理想的パートナーになるだろう。

 グリーンランドは、欧米諸国のライバルが取り引き材料にすべき戦略的資産ではない。植民地化やソーシャル・エンジニアリングや人口統制を生き延びてきた人々の故郷だ。「アメリカ帝国主義」を非難する前に、デンマークと欧州連合は自らの植民地時代の過去を直視すべきだ。そして、イヌイットの自決こそ真に正しい唯一の道だと認識すべきだ。

記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2026/01/10/trump-greenland-and-the-colonialism-europe-pretends-not-to-see/

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 The Chris Hedges Report
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