本山よろず屋本舗さんのサイトより
http://motoyama.world.coocan.jp/
<転載開始>
 現在の私たちの金融システムは、「借金誘導型の金融システム」と言うそうです。
 その意味は、借金をすることによって新たなマネーが創造され、それが金融システムを巡って社会を循環させるからだといいます。
 逆に言うと、この世から借金が無くなれば、社会から「お金」が消え、社会が回らなくなるということです。
 私は最初にこの話を聞いたとき、ピンときませんでした。
 借金をするということが、社会を循環させる根幹の行為だと聞いても、借金することが“良い事”というイメージが湧かず、ホントかなあという気がしたからです。

 しかし次の説明を聞いて、なるほどと思った部分がありました。
 例えば、家のローンで銀行から1億円を借りたとします。
 銀行は、その銀行の手元に1億円の現金があろうと無かろうと、コンピューターを操作して、その人の口座に1億円と入力するだけだといいます。
 つまり銀行は、無から“お金”を創造したことになります。
 もちろん1億円がすぐに引き出され、ハウスメーカーの口座に入金されれば、銀行はどこかで帳尻を合わせなければなりません(手元に現金が無ければ、銀行間の無担保のコールローンで借りることになるのでしょう)。
 とにかく言えることは、新たな借金をすることで、その社会を巡るお金の総量が増えるということです。
 借金があれば、必ず利子が付いてきます。
 銀行から借金をすれば、それに対して払う利子が銀行の収益となります。
 同じことが、国の借金である国債についても言えます。
 国が借金(国債を発行)すれば、それが新たなお金として社会を循環することになります。
 日本政府の場合、国債の債務残高は1130兆円に達しています。実にGDPの2倍です。そしてその日本国債の半分を日銀が保有しています。
 ではその国債の利子はどこに行くかというと、日銀に入ります。
 日銀は民間の株式会社ですから、その利子収入は日銀の株式を保有する“誰か”に入るはずです(注1)。
 では日銀の株を保有する“誰か”とは誰なのでしょう。
 日本政府が55%となっています。
 それはいいとして、残りの45%が気になります。
 それは公表されていないらしいのです。
 公表されないということは、国民に知られたらマズイことがあるのでしょうか。
 一説には、ロスなんちゃらとか、ロックなんちゃらといった世界の超富裕層一族の所有する銀行だという話です。

 ここで気づくことがあります。
 国の借金である国債の償還ですが、元本と利子を含めて国民から集めた税金で行います。
 つまり、国民の税金が日銀を介して、世界の超富裕層に流れる仕組みが出来上がっているのです。
 この仕組みは見事だと思わないでしょうか。
 まず借金が社会を回す潤滑剤としての役割をはたすシステムが作られ、借金の最大のものが国債で、その国債から上がる利子収入が世界の超富裕層に自動的に流れる仕組みとなっている……。
 それゆえ、必然的に国は借金を増やす方向に向けられていくことになります。
 税金を払う国民は、生き血をチュウチュウ吸い取られているというふうに見えてしまいます。
 冒頭で銀行がお金を創造しているという話をしましたが、銀行の元締めともいえる中央銀行はその最たるものです。
 何しろ中央銀行は通貨発行権を持っています。
 日銀が100兆円を刷りますと言ったら、世の中に新たに100兆円というお金が登場してしまうのです。これは大変な特権ではないでしょうか。
 ロスチャイルド家の祖マイヤー・アムシェル・ロスチャイルドが、「我に通貨発行権と管理権を与えよ。そうすれば誰がどんな法律を作ろうが構わない」と言ったのは大いに頷けます。
 通貨を発行することによって得られた利益を通貨発行益(シニョリッジ:Seigniorage)といいます。これはシニョール(封建領主)が通貨を発行したことによって利益を得ていたことに由来する言葉です。
 つまり、通貨を発行するということは、王様だけに与えられた大変に特別な特権だったのです。
 それが、選挙で選ばれてもいない、怪しげな連中が株式を保有している民間銀行である日銀が持っているのです。これって、おかしいと思うのは私だけでしょうか。
 さらに日銀には、金利を操作する特権もあります。
 景気を良くしようとすれば、金利を下げ、市中にお金を撒けばよいし、景気を悪くしようと思えば、金利を上げ、市中からお金を吸い上げればいいのです。
 つまり中央銀行が一国の金融市場をいかようにもコントロールできる仕組みなのです。
 それでも中央銀行が国民の生活向上の為、日夜せっせと働いてくれるなら、問題ありません。
 しかし実態はどうでしょうか。
 1973年以降、世界の中央銀行は実態経済を遥かに凌駕するお金を放出してきたといいます。
 『大逆回転前夜』(澤上篤人著、明日香出版社)から引用させていただいた、以下の図を見て下さい(p39)。

    


 グラフ下方の斜線の部分が実態経済です。
 金本位制であれば通貨の発行量は金(キン)の量に縛られて、無制限に増やせません。
 1971年までの金とドルがペッグしていたブレトンウッズ体制であれば通貨の量は、実態経済とほぼリンクしていました。
 しかし、ニクソンショックによってドルがなんの担保もなく無制限に刷られるようなった頃から、世界中の通貨の量が激増してきたことがわかります。
 実態経済から乖離した通貨の量が“過剰流動性”と呼ばれる部分です。これが株式や不動産、その他の金融商品に流れ込み、バブルを形成します。
 そして、中央銀行は金利と通貨の量を調整することによって、バブルの発生時期やその規模を決めることができます。
 これまでITバブル崩壊やリーマンショックがありましたが、いよいよ次のバブル崩壊が迫っています。


 ・・・<『大逆回転前夜』、p105~p109から抜粋開始>・・・

 評価益はレバレッジの原資に

 国際金融協会(IIF)によると、2025年3月未時点で世界の債務残高は324兆ドルに達した。過去最大を記録したが、中国、フランス、ドイツの債務増加が主な要因とのこと。
 特に中国の、債務増加は顕著で、対GDP比93%に達する見通し。また、新興国全体の債務残高も過去最高で106兆ドルを超え、対GDP比は245%に上昇したとのこと。
 世界の債務残高324兆ドルは、世界全体のGDPに対し、325%となっている。これは、世界中の国をはじめとして、家計や企業そして金融機関の債務残高を合計したもの。
 裏を返すと、世界経済の3.25倍もの借金であり、それだけ信用が創造されてきたわけだ。信用創造? そう、世界経済という実体経済の3.25倍もの資金規模で、貸し借りが行われているのだ。
 すごい規模での信用創造だが、2012年の段階では、世界GDPの2.1倍だった。つまり、この10年ちょっとで、世界経済にして1個分の借金が上積みされたわけだ。
 これらの多くは、先進国中心にゼロ金利政策が展開されていた時代の産物である。そういった借金純増に対し、金利が上昇してきている。
 このあたりも、超カネ余りバブル崩壊の端緒となる可能性大である。

 ともあれ、とんでもなく巨額の借金増加であり信用創造だが、それは世界全体のカネ余りの「純増」とも考えられる。その中には、株価はじめ金融マーケットの上昇による投資評価益の増加も入ってくるのだ。
 たとえば、年金マネーを運用する機関投資家はじめ金融機関や企業の間では、カネ余りに乗って投資勘定を大きく膨らませてきた。その投資勘定がすばらしく巨額の評価益を生んでくれている。
 評価益をたっぷりと抱えている余裕もあって、保有している投資勘定をベースにして投資ファンドなどへの投資を、いくらでも拡大できる。もちろん、金融機関はヘッジファンドなどにレバレッジ資金を、たっぷりと融資できる。
 そういった投資ファンドやヘッジファンドも、金融マーケットの上昇に乗って大きな評価益を抱え込んでいる。それで、保有資産に対し2倍とか3倍の資金を調達して、さらなる買いポジションを構築できる。
 このように、買ってはさらに大きく買う取引の好循環が、それこそ無限に広がっているのが、世界の金融マーケットの現状である。
 この、買ってはさらに大きく買うの好循環が続いている限り、世界の金融マーケット全般は上昇トレードを崩さないだろう。皆がそう信じてマーケットに参加してきているわけだ。
 逆に、ひとつ歯車が狂うと、たちまち逆回転がはじまる。

 すさまじい逆回転の連鎖

 これだけ広くまた多岐にわたって信用創造と信用の供与が広がっていると、まさに蟻の一穴となる。ちょっとした歯車の狂いが、たちまち金融マーケット全体に伝波して大混乱をきたすことにも。
 与信がさらなる与信へとつながってきた。気づいたら、世界の借金残高は世界経済の3.25倍にも膨れ上がっているではないか。それらの、どこか一角でも崩れてデフォルトつまり返済不能となるや、あちこちの与信契約に不安が走る。
 それが発端となって、与信契約の解除つまり巻き戻しがはじまると、あらゆる投資勘定が一気に売りの連鎖へつながっていく。売りの連鎖が広まると、崩れだした金融マーケットの下げを本格化させる。
 かくして、金融マーケットは与信の解消売りからはじまったものが、現物を含めた、マーケット全体の売り逃げにつながっていく。
 それが次から次へと売りを呼んで、さしもの超カネ余りバブルも一気にしぼんでしまうだろう。
 これまで買って買いまくってきたが故に、世界の金融マーケット全体に買いポジションは大きく積み上がっている。
 それらが一斉の売りに転じるのだ。売りの圧力は想像を絶する大きさとなるのは、いうまでもなかろう。
 これが超のつくカネ余りバブル高の大逆回転である。
 大逆回転は金融マーケットの暴落だけではない。経済全体にも大きな混乱をもたらす。

 ・・・<抜粋終了>・・・


 崩壊しないバブルはありません。
 しかし、バブルの渦中にいる人間には、バブルという認識はないようです。
 日経平均は5万4千円にまで達しました。
 これから6万、7万と上がっていけば、バブルに熱中する人々の興奮度はさらに増していくのでしょう。


 ・・・<『大逆回転前夜』、p95~p97から抜粋開始>・・・

 史上空前のカネ余りマネーゲーム

 いつのバブルも弾け飛んだ後になって、「あれはバブルだった」と、ようやく皆が認めるものとなる。その寸前までは、どの投資家も株高をはじめ金融マーケットの大活況に酔いしれて、それこそバブルに躍りまくる。
 バブルの予兆はいくらでも感じられる。なのに、どのプレーヤーも「まだまだ上がるだろう」と、現在のマーケット活況に心を奪われて、バブルに躍り狂う。
 このまま躍り続けていてはヤバイぞなんて、誰も意識しない。それどころか、株価など金融商品の間で、次から次へと開けてくる新たなる値上がりの可能性に、我先にと飛び込んでいく。
 それがまさしく、バブル現象なのだ。株式相場で昔からいわれている「株価上昇が、買い材料をつくりだす」そのものである。
 株高の熱気に誘われて、皆が買い群がる。「買う材料なんて後まわしでいい、とにかく一刻も早く買っておこう」で、買いまくる。
 ガンガンに買いまくっている間に、もっともらしい買いの理由やら材料が、マーケットに流れてくる。それで、さらに買い気を強めていく。

 現行の世界的なカネ余り株高バブルも、第1章と第2章で詳述したように、70年代からずっと積み上がってきた世界的な過剰流動性が岩盤となっている。
 その上に、80年代からやはり増え続けてきた年金マネーによる買い増しが乗っかってきているのだ。
 そこへ、21世紀に入って顕著となったのが、米国で最大の圧力団体にのし上がってきた金融ロビイストたちの台頭である。ロビイストたちは金融ビジネスに好都合な政策を、次々と政治家に働きかける。
 やれ、「金利をもっと下げろ」とか「金融をさらに緩和しろ」といった働きかけだ。それが米国を中心とした金融マーケットの大発展と、金融資本主義をどんどん助長させていったわけだ。
 そういった、とてつもなく巨大な岩盤の上で、歴史に例をみないほど盛大なマネーゲームが展開されてきたのだ。巨大な岩盤の上だ、大きく下げっこないという安心感がある。だから、どのプレーヤーも思い切り買いを入れられる。
 そう、株価など金融商品の価格が、おもしろいように上がっている。どのプレイヤーも、バブルの意識などこれっぽっちもなく、買い熱気でムンムンのマーケットを躍り続けているわけだ。
 こういった展開となってくるとおもしろいもので、株式市場では躍り狂う材料が次から次へと飛び出してくる。それが、人々を一層の株買いに走らせる、まさにバブル循環となっている。
 しかし、ものごとには必ず終わりがあるように、どんなバブルもいつかは弾け飛ぶ。

 ・・・<抜粋終了>・・・


 ITバブル崩壊の時でも、リーマンショックの時でも、政府の解決策は札を刷ることでした。
 しかし、(著者の澤上篤人氏も言っていますが)、これ以上札を刷るとハイパーインフレになってしまいかねません。もはや、札を刷ることが限界にきているからです。
 私は、それでも日本政府は札を刷ることを選ぶと思います。
 ハイパーインフレはむしろ、日本国債の負担が一気に減るので政府としても望むところだからです。

 日本人は資産の過半を銀行預金で保持しています。
 ハイパーインフレはそうした日本人の円預金の価値を一気に減らしてしまいます。
 当HPで私が何年も前から、金(キン)や銀の現物を買うことを勧めてきた理由がこれです。今、金が急騰しているのは、金の価値が上がっているのではなく、札(ドルおよび円)の価値がどんどん下がっているからです(注2)。


 (注1)日銀は株式会社
 日銀は株式会社なので誰でも普通に日銀株を買えます(銘柄コードは8301)。
 ただし民間の一般企業と違い、「日本銀行法」という特別な法律に基づいた機関です。株主総会はなく議決権もないという特殊なものです。
 それゆえ、45%の株主を公表しないでよいという、“特権”があるのかもしれません。

 (注2)銀の急騰
 銀の場合は、産業需要が爆発していることが主な要因です。銀はここ4年連続、需要が供給を上回る状態が続いており、備蓄の取り崩しで賄ってきました。
 その在庫が尽きかけています。
 COMEXやLBMAといった取引所では銀の枯渇が囁かれています。
 その状況証拠として、COMEXで90ドル(1オンス)の銀を買って、上海で100ドルで売るという裁定取引(アービトラージ)ができなくなりました。
 インドでは、現物が150ドルを超えた値段で売れているといいます。
 アメリカの造幣局は、イーグル銀貨の販売を止めました。世界的に銀が入手しづらくなっています。
 日本でも銀の現物(インゴット)を買おうとすると、とんでもないプレミアムがついた値段でないと買えない日が来るかもしれません。


 (2026年1月17日)

<転載終了>