yocchan_no_blog3さんのサイトより
https://yocchan-no-blog3.blog.jp/archives/11423011.html
<転載開始>

ロシアは核兵器の使用、いわゆる、核ドクトリンに関しては、西側に対して前々からその規範を示していた。

ロシアが2022224日にウクライナ領内での特別軍事作戦を開始して以降、ウクライナ軍によるロシア領内に対する反撃によってロシア側はいくつかの大きな軍事的損失に見舞われている。たとえば、

1)ロシア南西部のクラスノダール州で戦略早期警戒レーダーシステムが大きく破壊された。523日に撮影されたロシア南西部クラスノダール地方のアルマヴィル・レーダー基地の衛星画像では、敷地内の2つのヴォロネジ-DMレーダー建屋のうちのひとつの周辺に多くの破片が散乱しているのが確認できる。これらは超高周波(UHF)の地平線超え(OTH)レーダー(監視距離は4200キロ)で、ロシアの核弾道ミサイル早期警戒システムの一部である。(原典:Strike On Russian Strategic Early Warning Radar Site Is A Big Deal: By Joseph TrevithickStrike On Russian Strategic Early Warning Radar Site Is A Big Deal, May/24/2024

2)キエフ政権によれば、ウクライナ軍は日曜日(61日)、ロシア軍を驚愕させた。ロシア領内奥深くにあるロシアの航空基地を狙った野心的で複雑な攻撃で、数十機の核爆撃機やその他の航空機を破壊・損傷させた。4カ所の基地が攻撃された。それぞれはイルクーツク、ムルマンスク、リャザン、イワノヴォに位置する。ウクライナ軍はこれらの基地の近くに無人機を格納したトレーラーを配備し、攻撃に備えたとのことだ。

(出典:Ukraine wipes out dozens of Russian doomsday nuclear bombers in massive surprise attack on air bases, Kyiv says: ‘Russian Pearl Harbor’: By Anthony Blair, NEW YORK POST, Jun/01/2025

3)ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は月曜日(1229日)、ウクライナがロシア北西部のプーチン大統領の住居に大規模なドローン攻撃を仕掛けたと主張したが、キエフはこれを和平交渉を妨害する試みだとして即座に否定した。通常、防衛省の管轄に入るためドローン攻撃の報告は行わないのだが、ラブロフ外相はウクライナが91機の長距離ドローンを使用して、ノヴゴロド州のヴァルダイ湖にあるプーチン大統領の住居を日曜の夜から月曜の朝にかけて標的にしたと主張した。負傷者や被害はなく、ロシアの防空システムがすべてのドローンを現場に到達する前に撃墜したと述べた。(出典:Ukraine Launched Drone Attack on Putin’s Valdai Residence, Lavrov Claims: By AFP, Dec/29/2025

上記の事例は何れもロシア側にとっては極めて大きな脅威であったのではないかと私には思える。これらのケースはそれぞれがロシアの核ドクトリンには整合しなかったというのであろうか?それとも、整合するけれども、戦術核を使うことをロシアは敢えて避けて来たのであろうか?

過去の戦争の歴史を見ると、戦争の終りの段階になると戦死者数が急増し、一か八かの攻撃が試みられることが多いと言う。これは和平交渉において少しでも自国に有利な立場を得ておきたいと双方が考えるからである。極めて不気味な、だが人間臭い行動の側面である。

ここに、『プーチンの顧問、ロシアは「敗北に近づく」ような場合にはヨーロッパに対して核兵器を使用すると警告』と題された記事がある(注1)。

この内容はロシアの核ドクトリンを具体的に理解する上で重要な情報であると思う。

本日はこの記事を仮訳し、読者の皆さんと共有したいと思う。

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ヤフーは記事から要点を生成する際にはAIを活用する。これは情報が常にその記事の内容と一致するとは限らないことを意味する。間違いを報告することは体験の改善に大きく役立つ。要点を作成していただきたい。

セルゲイ・カラガノフ氏(ロシアのウラジーミル・プーチン大統領やボリス・エリツィン元大統領の顧問を務めた)は、水曜日(114日)、ヨーロッパに警告した。もしも敗北に近づくようなことがあれば、ロシアは欧州大陸に対して核兵器を使用すると述べた。

タッカー・カールソンとのインタビューで、プーチンに近いロシア外交・防衛政策評議会においてトップであるカラガノフは、ヨーロッパが標榜するロシアの敗北という考えを「非現実的な幻想」と呼び、そのような議論を欧州指導者たちの「知的無力さ」によるものだとした。

「ロシアの敗北とはいったい何か?もしもロシアが敗北に近づくことがあれば、それはロシアが核兵器を使用し、ヨーロッパが物理的に終焉することを意味する」と彼は警告した。「つまり、そのようなこと考えること自体が不可能なのではあるが、彼らがそのような話をしているのは自分たちの権力の維持や存在意義を正当化するために戦争が必要だからである。」

カラガノフは続けた。「今や世界中で誰もがヨーロッパのことを笑っている。ちなみに、かつては世界の権力の中心のひとつであったが、今では笑いものだ。もちろん、すべてのヨーロッパのことを言っているわけではない。我々は立派なヨーロッパ人がいることを知っている。賢いヨーロッパ人もいる。」

カールソンは質問した。「ロシア政府が追い詰められた場合、ヨーロッパに対して核兵器を使用するだろうと誰もが知っていると言う時、そのことを本当に意味しているのですか?そして、ヨーロッパの人々はそれを理解していると思いますか?」

ヨーロッパ人は「1968年のいわゆる学生革命以来知的に堕落しており、あの革命はヨーロッパの教育の大部分を壊滅させ、これは現代ヨーロッパの民主制度における反能力主義のせいである」と主張し、カラガノフは「ヨーロッパの指導者たちは地上で何が起こっているのかを完全には理解できていない」と述べた。

「彼らは戦争が自分たちの領土には決してやって来ないと信じている。戦争のことも、その恐ろしさも忘れてしまった」と彼は言った。「今、ロシアの任務のひとつは、他の任務もさることながら、核兵器を使わずに彼らを現実に目覚めさせることだ。」

カラガノフは、また、ヨーロッパに対して「あまりにも忍耐強すぎる」としてロシア政府を批判した。

「私は、自国政府が彼らに対してあまりにも慎重で忍耐強すぎると批判している」と彼はカールソンに語り、さらにこう付け加えた。「しかし、遅かれ早かれ、もし彼らがこの戦争を支援し続け、多くのウクライナ人やその他の人々を犠牲にし続けるなら・・・、我々は彼らを厳しく罰さなければならないだろう。できれば限定的な形で。」

上記については「タッカー・カールソン・ショー」でご視聴いただきたい。

この記事の初出はMediaite

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これで全文の仮訳が終了した。

この引用記事を読んで、私が冒頭に引用した3件のロシア側の軍事的損失はロシアにとっては敗北に直結するような事態ではなかったということを私は明確に理解した。特に、一番目と二番目の件は大きな損失であったことは間違いないであろうが、即ロシアの敗戦に繋がるというような事態ではなかったのだ。それ故に、核による報復にはならなかった。

しかしながら、このタッカー・カールソンとカラガノフとの対談の内容はヨーロッパを率いているエリ-トたちの現状を辛辣に、そして、冷酷に捉えている。

もしも状況を理解し、分析する姿勢が西側の指導者たちにあったならば、2014年のマイダン革命は、恐らく、起こらなかったのではないか。あるいは、ロシアの戦略的敗北を求めるといった西側の戦争計画者たちの妄想によって引き起こされたウクライナでのNATOによる対ロ代理戦争は見識あるトップの指導者によって却下されていたのではないだろうか。

ウクライナの人口を半減させ、国内に残された人たちがマイナス20Cの厳冬の中で暖房も電力もままならならず、暗黒の冬の日々を送っている現状を考えると、この代理戦争の罪は計り知れない程大きい。


参照:

注1:Putin Adviser Warns Russia Will ‘Use Nuclear Weapons’ Against Europe If It Ever ‘Comes Close to a Defeat’By Charlie Nash, Yahoo News, Jan/15/2026


<転載終了>