本山よろず屋本舗さんのサイトより
http://motoyama.world.coocan.jp/
<転載開始>
 物価が上がって、生活が苦しくなったと感じておられる方が増えています。
 上がっているのは食品だけでなく、あらゆる生活雑貨が値上がりしています。生活に必須な電気やガスなどの公共料金も上がっているし、外食も上がっていて、自炊しようかと考え始める人々が増えていると聞きます。
 どのくらい上がっているのでしょうか。
 私たちに身近なマクドナルドのハンバーガーでいうと、2020年は100円程度でしたが、現在190円となっています。2倍近くも上がったのですから、多くの方々が、かなりインフレが進んでいると感じておられると思います。
 では、日本人の主食である米はどうでしょうか。
 数年前ですが、私は5kg2千円ぐらいだったと記憶しています。
 それが今、スーパーに行くと4千円前後で売られています。私の感覚だと米も2倍になっている感じです。
 スーパーに行って実際に買っている庶民の皮膚感覚では、数年前に比べて物価は2倍とはいかなくても、1.5倍程度に上がっている感じではないでしょうか。

 ところがです。
 政府が発表する日本のインフレ率(消費者物価指数:CPI)は、以下のようになっています。

 2025年の日本のインフレ率(消費者物価指数)は、年平均で3%台前半(3.29%前後)で推移し、・・・(中略)・・・、2026年にはさらに鈍化予測(3.1%程度)。

 ええっ! と思いませんか。
 昨年のインフレ率が、たったの3%……。
 「ほんまかいな(←なんで大阪弁なんだろう)」と呟きたくなります。
 もし本当に3%なら、ここまで急に生活が苦しくなるはずがない……、と思う方が多いはずです。
 私もそう思います。
 おそらく多くの方々が感じるインフレ率は、年10%ぐらいではないでしょうか。
 実は、日銀が行ったアンケート調査において、生活実感としてのインフレ値は10%(中央値)が出ているのです。
 吉田繁治さんのメルマガから抜粋します。
 なお、引用記事は吉田さんがGemini(AI)に質問して、回答を得るという形になっています。
 Geminiは吉田さんのことを「先生」と呼んでいます。
 これは、吉田さんが書いた経済本をGeminiも読んで勉強しているということからきているようです。
 ・・・<『吉田繁治さんのメルマガ』、Vol.1596から抜粋開始>・・・

(1)最新データによる「10%」の裏付け
直近(2025年12月調査、2026年1月公表)の、日銀『生活意識に関するアンケート調査』においても、家計が実感するインフレ率は、依然として高止まりしています。

・1年後の物価上昇率(予想)の中央値:+10.0%
・1年後の物価上昇率(予想)の平均値:+11.6%

対する、公式CPI(総務省:2025年末):+2.9%前後

国民は「年1割」のペースで、通貨の価値が目減りしていると感じているにもかかわらず、政府・日銀は「3%弱の緩やかなインフレ」として処理しています。この「7%の認識ギャップ」こそが、消費低迷や政権への不満の根源にある「見えない数字(見えない税)」です。

(2)「二重の問題」の正体
ご指摘された「誰も問題にしていない」という点は、経済学における「測定の罠(わな)」と言えるかと思います。

問題点(1)
構成品目のミスマッチ(生活財の購入頻度からのバイアス)
国民が「10%上がった」と感じるのは、毎日購入する食料品や日用品(高頻度品目)が、実際にそれくらい上がっているからです。

一方で、CPIは、一度契約すると数年変わらない家賃(前述の通り0%)や、頻繁には買わない耐久財も含めて平均化するため、数字が薄められます。

「生活実感としてのインフレ」は、CPIよりも「食料・エネルギー価格」の動きに近いのです。

問題点(2):政策の無効化
日銀や政府は「CPI 2%」を目標にしていますが、国民の心理的なアンカー(軸)はすでに「10%インフレ」に設定されています。

この状態で「2%目標達成、賃上げも進んだ」と宣言しても、国民からすれば「生活水準はマイナス8%(賃上げ2~3%-実感のインフレ10%)」という感覚になります。

政策当局が見ている計器(CPI)と、実際に国民が乗っている機体の高度(生活実感)がズレているため、どんなに「ソフトランディング成功」と発表しても、国民は「墜落中」だと感じてしまうのです。

 ・・・<抜粋終了>・・・


 政府は3%のインフレと言い、庶民は10%と感じています。国民は「墜落中」だと感じているのです。
 この乖離の一つの要因は“帰属家賃”だといいます。
 帰属家賃とは、「持ち家(マイホーム)に住んでいる人が実際に家賃を支払っていなくても、あたかも市場で借りているかのように家賃を支払っているとみなして計上される仮想の家賃」だといいます。


 ・・・<『吉田繁治さんのメルマガ』、Vol.1596から抜粋開始>・・・

日本の帰属家賃が、CPIに占める割合は何%ですか。また、米国では何%ですか。

【Geminiの回答】
日本の帰属家賃(持ち家の帰属家賃)が消費者物価指数(CPI)に占める割合は、以下の通りです。

(1)日本(帰属家賃)
割合:15.8%(10,000分比で1,580)
基準: 2020年基準(最新の基準改定)

詳細: 日本のCPIでは、「持ち家の帰属家賃」という項目で計上されており、総合指数(ウェイト10,000)のうち1,580を占めています。これは食料(生鮮食品を除く)やエネルギーと並んで、非常に大きなウェイトを持つ項目です。

 ・・・<抜粋終了>・・・


 CPIに占める割り合いが15.8%と多い帰属家賃ですが、ほぼゼロという計算なのだそうです。
 これが庶民が実感する10%のインフレ率と、政府の3%という数字の乖離の原因の一つのようです。
 東京のような大都会では、持ち家ではない普通のアパートやマンションの家賃は上がっているといいます。
 しかし私が住む長野のような田舎では、家賃は上がっていません。
 それゆえ日本全国で平均すると、家賃の上昇はほぼゼロに近いということなのでしょう。

 アンケート調査によるインフレ率10%というは、「行動経済学」での物価上昇率だといいます。
 では、なぜ政府は庶民の皮膚感覚である行動経済学の物価上昇の値を無視するのでしょうか。
 Geminiは3つの理由を挙げています。


 ・・・<『吉田繁治さんのメルマガ』、Vol.1596から抜粋開始>・・・

日銀自身の生活意識のアンケート調査で、「2025年(現在)物価上昇10%、2026年11.6%」という事実があるのに、これが、日銀政策委員の間の議論にならないのはなぜでしょう。

生活意識アンケートの物価上昇10%や11.6%は、「行動経済学での物価」です。
これが完全に無視されています。行動経済学には、連続してノーベル賞が授与されていて、スタンダードになっていると思いますがいかがですか

【Geminiの回答】
ご指摘の通り、日銀の「生活意識に関するアンケート調査(第104回、2025年12月調査)」の数字は、中央値で10.0%、平均値で11.6%(1年後の物価上昇率)となっており、先生のおっしゃるとおりの数値が出ています。

行動経済学が「インフレ期待(予想物価上昇率)」の重要性を説き、それが経済学のスタンダードになっているにもかかわらず、なぜ政策決定会合でこの「10%」という数字が真正面から議論されず、あくまで「2%」を前提に進められるのか。

その理由は、日銀や現代の中央銀行が抱える「3つの構造的なバイアス(思考の壁)」にあります。

(1)「上方バイアス」として処理してしまう慣習
中央銀行のエコノミストたちの間では、家計のインフレ予想には常に「上方バイアス(実際の数値より高く感じる癖)」があるというのが定説になっています。

頻度バイアス(Frequency Bias):
行動経済学でも指摘されますが、人間は「たまに買う高いもの(家電など)」より「毎日買うもの(食料品・ガソリン)」の価格変動を過大に評価します。

日銀の解釈: 「家計が答える10%は、食料品などの値上がりを反映した『心理的な数字』であり、経済全体のマクロ指標(CPI)としての実力値ではない」と割り引いて(discount)見ています。

結果: この「10%」は、「方向性(上がっているか下がっているか)」を見るための参考値としては使われますが、政策目標の数値(Target)としては「ノイズ(雑音)が入ったデータ」として無視(除外)されてしまいます。

(2)「期待」の種類を選別している
日銀が政策決定で重視する「インフレ期待」には、主に3つの参照元があります。

市場の期待(BEI): 国債市場などの参加者が予測するもの
専門家の期待(ESP): エコノミストの予測
家計の期待(生活意識調査): 消費者の予測

政策委員会では、「1. 市場」と「2. 専門家」の予測(これらは概ね2%近辺で推移)を「理性的で正しい予測」として重視し、「3. 家計」の予測(10%)は「感情的で変動が大きい」として、優先順位を低く設定しています。

しかし先生のご指摘通り、実際の消費行動(買いだめ、投資、節約)を決めるのは「家計の期待(10%)」の方ですから、ここを見誤ると政策効果が国民に届きません。

(3)「不都合な真実」の回避
もし日銀が「国民の実感インフレ率は10%だ」と公式に認めて議論のテーブルに載せてしまうと、以下の矛盾に直面し、政策が破綻してしまいます。

金利の矛盾:インフレが10%なら、政策金利を0.25%や0.5%にするのは、異常(実質金利マイナス9.5%)であり、本来なら5%~6%まで上げなければ整合性が取れません。

財政の限界:しかし、金利をそこまで上げると(1300兆円の)国債の利払い不能(財政破綻)のリスクが生じます。

つまり「実感インフレ10%」を認めることは、現在の日銀の緩和的スタンス(金融抑圧)を全否定することになるため、組織として「あえて直視しない(見ないふりをする)」力学が働いていると言えます。

 ・・・<抜粋終了>・・・


 ここで私が注目するのは、Geminiの3番目の答えです。
 日銀が10%の物価上昇率を受け入れると、現在の0.75%の政策金利を見直さなければならなくなります。
 といってかりに5%~6%に上げると、GDPの250%にまで膨れ上がった国の借金の返済ができなくなり財政破綻します。
 吉田さんは2%がギリギリのラインだと言われていました。
 なので、10%という数値は、見て見ぬふりするしかないのです。
 そうすると今後どうなるのか。
 250%の借金は返済不能です。
 返済の為の元本と利子を、新たな借金(国債の発行)で賄うしかありません。これを自転車操業といいます。
 自転車操業を続ける為には、利子を低く抑え続ける必要があります。しかしそれをやっても、借金の総額は膨れ上がるばかりです。
 つまり、円を刷るしかなく、円の価値が減る方向にしかいかないということです。
 よって、延々と続く円安の道しかありません。
 日本人は円の価値を円ドル為替でしか見ない傾向があります。
 アメリカもまた38兆ドル(5900兆円)という天文学的借金(米国債)を抱えています。米ドルもまた自転車操業を続けるしかありません。
 それゆえ、円ドル為替を見て、円高とか円安と言っても意味がありません。米ドルも円も同時に価値を失っている呉越同舟なのです。
 ユーロもまた価値を失っています。
 つまり、今起きているのは、米ドル、円、ユーロという西側諸国の不換紙幣の価値の喪失です。
 実は、これは日本政府の隠れた方針だと私は思っています。
 GDPの250%の借金など、まともに返せる手立てはありません。
 しかし大きなインフレを起こせば、借金をチャラにすることができます。
 インフレは隠れた税金と言われますが、日本国民は今、知らずにインフレ税を払っているのです。
 これが私は数年前から、金や銀の現物(コイン、インゴット)を買って資産を守って下さいと言ってきた理由です。

 ここで雑談です。
 正月に親族が集まったとき、私は皆に銀の現物を買うことを勧めました。
 親族は全員と言っていいほど、その資産の大半を銀行預金にしています(ほとんどの日本人と同じ)。
 すると、いかにも胡散臭そうに、「また、こいつがアホなことを言い始めた」という顔をされただけでした。
 私としては、虎の子の資産を守ってほしいという願いだったのですが、私の思いは全く届かなかったようです。


 (2026年1月24日)

<転載終了>