みのり先生の診察室さんのサイトより
https://ameblo.jp/drminori/entry-12958092614.html
<転載開始>

今日は医師サイトに掲載されていた寄生虫学専門の宮崎大学 丸山治彦先生の記事をご紹介。

 

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コピペできないので私なりに要約して解説します。

 

この記事は「がん」と「寄生虫症」は一見まったく別物に見えるけれど、“生き残るためのエネルギーの作り方”に共通点がある、という話です。

 

 

  がん細胞と寄生虫は「酸素が少ない環境」に強い

 

私たちの体の細胞は通常、酸素を使って効率よくエネルギー(ATP)を作ります。

 

ところが、寄生虫は住む場所によって酸素が少ない状況に置かれることがあり、そこで生きるために「特殊な呼吸(代謝)」を使います。

同じように、がん組織の中も場所によっては酸素が不足しやすく、がん細胞はその環境に適応して生き延びます。

 

記事では、こうした「酸素が少ない状況での生存戦略」が、両者の“意外な共通点”として描かれます。

 カギは「フマル酸呼吸」という寄生虫の代謝

 

回虫(かいちゅう)など一部の寄生虫は、幼虫の時期は酸素を使う呼吸をする一方、腸の中で成虫になると酸素が少ないため、別の仕組み(フマル酸呼吸)でATPを作ることが知られています。

この仕組みでは、通常の酸素呼吸の“最後の受け皿”が酸素ではなく、別の物質(フマル酸)になるため、酸素が少なくてもエネルギーを作れます。

 

 

 

  がん組織の「コハク酸の蓄積」から連想された仮説

 


慶應大学の研究紹介(元の論文の紹介記事)では、がん組織でコハク酸が高濃度に蓄積していることが示され、そこから「がん細胞も寄生虫に似た代謝を使っている可能性があるのでは」という連想が出てきます。

ここは重要で、記事のトーンは「寄生虫が直接出てくる研究ではない」「示唆であって断定ではない」という立ち位置です。

 

 

 

  寄生虫研究は“薬の標的”を見つけるのに役立つ

 

寄生虫や原虫は、ヒトとは異なる呼吸鎖や酵素を使うことがあり、そこが薬の標的になり得ます。

 

記事では、トリパノソーマ(睡眠病の原因)の特殊な酵素を狙う研究例などが紹介され、寄生虫学の知見が治療薬開発につながる流れが描かれます。

 

 

  ただし「駆虫薬でがんが治る」という飛躍には要注意

 

後半の主題はむしろここで、
 

「寄生虫とがんの代謝が似ているかも」→「駆虫薬が役立つ研究もあり得る」
 

までは“研究としては理解できる”一方、

そこから 「がんは駆虫薬で治る」「隠蔽されている」 などの陰謀論に飛び、患者さんを標準治療から遠ざける動きは有害で危険だ、

 

と強く警鐘を鳴らしています。

 

特に、医師資格を持つ発信者が加担することの問題性も指摘されています。

 

 

 

以上が記事の要約です。

 

臨床現場で実際にイベルメクチンを癌治療に使っている立場で意見を述べると、「イベルメクチンで癌が治る」というより「イベルメクチンは癌治療の補助になり得る」と言う方が正確だと思います。

 

20例以上の癌患者さんにイベルメクチンを投与していますが、抗癌剤や放射線療法など標準治療を受けつつ、イベルメクチンを「併用」しているケースが多いです。

 

ステージ4で「やれる治療は何もない」と見放された患者さんはイベルメクチン単独投与になっていますが、多くの方は保険診療で癌治療をしながらイベルメクチンも服用しているというケースです。

 

イベルメクチン以外にも癌治療に使われている再利用薬は他にもたくさんあります⬇

 

 

 

「イベルメクチン 癌治療」で検索するとPubMedで300件以上の論文がヒットします。

 

そのうちのいくつかをブログでもご紹介してきました。

 

 

 

実際、免疫チェックポイント阻害薬との併用は著効しています。

 

原発巣だけでなく転移巣の腫瘍が顕著に縮小、あるいは消失してきており、その効果には目を疑うくらいです。

 

こちらは学会でも発表予定で、プレゼン内容は有料のニコニコチャンネルで配信予定ですのでお楽しみに。

 

 

寄生虫の生態と癌の増殖機序に共通する無酸素下でのエネルギー産生は似ているので、そこにイベルメクチンが作用すると考えると合点がいきますね。

 

イベルメクチンの作用機序についてはブログでも採りあげていきたいと思います。


<転載終了>