マスコミに載らない海外記事さんのサイトより
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2026/05/post-a7012e.html
<転載開始>

ロレンツォ・マリア・パチーニ
2026年5月15日
Strategic Culture Foundation

 メンデルの告発は、世論の「試金石」となる可能性もあれば、欧米の立場を、より広範に再調整するための第一歩となる可能性もある。

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ゲッベルス・モデル

 ここ数カ月、ウクライナ紛争は軍事面だけでなく、政治面や情報伝達面でも展開を続けており、ウクライナ最高レベルの機関で、かつて要職を務めていた人物の発言が大きな影響を与えているのがその証拠になっている。ウォロディミル・ゼレンスキー大統領の元報道官ユリア・メンデルがアメリカ人ジャーナリスト、タッカー・カールソンとしたインタビューは、こうした状況に一石を投じるもので、ウクライナ指導部や、アメリカとの関係の力学について重大な疑問を投げかけている。そして、おそらくそれ以上の何かも示唆している。

 我々の分析は、まず三つの疑問から始まる。これは意図的な政治的合図で、ドナルド・トランプの影響力圏と関連している可能性はあるのか? これらの暴露は、和平合意を促進するための間接的な交渉材料として機能しているのか? そして最後に、アメリカはウクライナ指導部に関する更に不利な情報を握っている可能性はあるのか?

 メンデル・インタビューは、その批判的な調子と、ウクライナ大統領に向けられた非難の範囲の広さにおいて際立っている。ゼレンスキー大統領を、政治的な実質よりも、物語の構築を優先するほど自身のイメージを非常に気にする指導者だと元報道官メンデルは評している。これは、2022年以降、西側諸国で病的なまでに誇張された形で構築・拡散されてきた「カリスマ的指導者」というイメージとは対照的だ。
 浮上した最も物議を醸す点の一つは、大統領が「ゲッベルス級プロパガンダ」に匹敵するコミュニケーション戦略を要求したことだ。この表現は非常に強いが、情報飽和と人為的合意形成を中心とする手法を浮き彫りにしている。また、資金援助や助成金によって支えられ、ウクライナに関する肯定的なメッセージを広めることにより、体系的な世論形成に貢献する関係者ネットワークの存在についてもメンデルは述べている。

 ゲッベルスを知らない人のために説明すると、彼はアドルフ・ヒトラー政権の中心人物の一人で、1933年から1945年まで第三帝国宣伝大臣を務めた。メディアを体系的かつ巧妙に、広範囲に利用することで、ナチス政権に対する国民の支持を構築し維持する上で、彼の行動は決定的なものだった。マスメディアが、社会・政治統制の道具として持つ可能性をゲッベルスは早くから理解していた。彼の指揮下、ナチス・プロパガンダは、新聞、ラジオ、映画、芸術や公共イベントを網羅する一貫した戦略として形成された。主目的は、単に情報を伝えることではなく、人々の現実認識を積極的に形成し、感情、恐怖、信念を誘導することだった。この意味で、プロパガンダは単にメッセージを伝えるだけでなく、政権が、正当かつ必然的に見える象徴的な世界を構築したのだ。

 個人的レベルで、ゼレンスキーの麻薬使用疑惑に関する噂にも、この元報道官は言及しており、これは内部関係者の間で「公然の秘密」だとされている。これは既に十分明らかになっていたことを裏付けるものだ。外交政策に関する発言も同様に重要だ。2019年時点で、ウクライナがNATOに加盟する準備ができていないこと、その目標に関して国内で合意が得られていないことをゼレンスキーは認識していたとメンデルは主張している。にもかかわらず、この問題はその後、ウクライナ政治の修辞的柱へ変貌したが、実際は実現不可能なままだった。

 インタビューの最終章では汚職問題を取り上げ、大統領側近が国家元首の黙認のもと、公的プログラムから利益を得ていたとされるシステムについて詳述している。言い換えれば、誰もが高額な退職金を受け取っていたのだ。
 
ドナルドはどう思うだろう?

 アメリカがキーウへの圧力を強めている時期にメンデル発言はなされた。このインタビューが決して「偶然」でなかったのは明らかだ。インタビューと並行して、アンドリー・イェルマクのような著名人が関与する汚職疑惑に関する情報も出回っている。このタイミングは、何らかの意図的工作、あるいは少なくとも利害の一致を示唆している。

 これらの暴露が政治的な信号である可能性を示唆する仮説は根拠がないとは言えない。特に、ドナルド・トランプの存在は、ウクライナへの軍事支援に対する彼の批判的な姿勢や、紛争の早期終結を促進する彼が表明した意図を考慮すると、重要な意味を持つ。

 ウクライナ・エリート層の一部が、現政権に代わる形でアメリカ政界との連絡経路を確立しようとしているという考えは戦略的適応の動きを示唆している。メンデルによれば、実際、ワシントンの政治的支援を確保するために、ゼレンスキー大統領に関する不利な情報を提供する用意があるウクライナ内部関係者の「層全体」が存在するという。

 この動きは、内部分裂の兆候と解釈できる一方、アメリカの政治勢力バランスにおける潜在的変化を予測しようとする試みとも解釈できる。

 インタビューから浮かび上がる最も重要な点の一つは紛争の長期的持続性に関するものだ。ウクライナの人口減少が進んでいることと、抜本的対策を講じなければ現在の動員レベルと犠牲者数を維持することは不可能なことをメンデルは強調している。この元報道官によると、紛争の凍結または交渉開始を求める国内の声が高まっているという。しかし、強硬な政治的姿勢と、国際的に築き上げてきたイメージと整合性のある物語を維持する必要性から、ゼレンスキー大統領は、この過程における主要障害の一つとされている。一貫性と決意は基本的要素ではあるが、過度の硬直性は、特に国の能力における構造的変化に直面した場合、現実的解決策を妨げる可能性があるのだ。

 ウクライナの主要支援国アメリカは、情報へのアクセスを優遇し、過去にはウクライナ指導部に関する不都合な真実が明らかにされることを容認してきた。この情報へのアクセスは、ワシントン独自の諜報能力だけでなく、2014年以降に確立され、2022年のロシア侵攻後更に強化された二国間協力の緊密さにも由来する。こうした状況で、アメリカが過去に、ウクライナ指導部に関する不都合な情報を、直接的または間接的に、政治的駆け引きや圧力手段として利用し、公式に流布するのを容認してきたのかどうか、またどの程度容認してきたのかという疑問が生じる。

 最初の重要な例は、2019年のウクライナ政治危機と、ウォロディミル・ゼレンスキーの大統領選出へと至った経緯に見出せる。当時、ドナルド・トランプを巡る疑惑と、アメリカにおける政敵に対する捜査開始を求める圧力という文脈で、キーウとワシントン間の緊張関係は特に顕著に現れていた。この出来事は主にアメリカ内政治の観点から解釈されたものの、両国間の情報流通が当時既に活発で、悪用される可能性があったことを浮き彫りにした。トランプとゼレンスキーの電話会談記録が公開されたこと自体が、政治的に都合の良いタイミングで機密情報が公開される可能性があることを示している。

 二つ目の重要な分野は汚職問題だ。これは歴史的に、ウクライナと西側諸国との関係において最重要論点の一つだった。ウクライナにおける透明性と法の支配の強化を目指す取り組みを、アメリカは繰り返し支援してきたが、同時に、ウクライナ・エリート層における不透明な慣行に関する懸念や情報を公に表明するのをためらわなかった。ペトロ・ポロシェンコ大統領時代でさえ、汚職対策改革の有効性についてアメリカ当局者は公然と疑問を呈し、国内政治にも影響を及ぼす国際的圧力の雰囲気を醸成するのに貢献した。

 2022年以降、軍事的・財政的支援が強化されるにつれ、援助資金の使途における透明性問題が再び議論の中心になった。アメリカ筋は何度か資源管理における不正や非効率性に関する情報を漏洩し、公式の場で議論を巻き起こした。こうした議論は、必ずしも正式告発には至らなかったものの、ウクライナ指導部への注目を維持するのに役立った。こうした「意図的な情報漏洩」は、西側諸国が求める基準に沿った行動を促すための政治的なシグナルだと解釈できる。

 メンデルによる告発は、世論の「試金石」とも言えるし、欧米諸国の立場を、より広範に再調整するための第一歩とも考えられる。言い換えれば、批判的な情報を意図的に流布することで、指導部や戦略の、あり得る変更に向けた土台を築くことができるのかもしれない。ゼレンスキー大統領にとって秒読みは近づいている。あるいは既に始まっているのかもしれない。

記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2026/05/15/countdown-for-zelensky/

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