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<転載開始>
[論説]中東危機が農業を直撃 生産持続へ対策を急げ
日本農業新聞 2026/05/21
中東情勢悪化の影響が、農業現場で一気に顕在化している。ハウス用ビニールやマルチといった被覆資材、米袋、包装フィルムなどあらゆる製品で値上げや出荷制限が相次いでいる。加えて秋肥も大幅値上げが農業現場を直撃する。国を挙げた実態調査と高騰対策の拡充を求めたい。
原油の中東依存度は9割以上。ナフサは中東4割、国産4割だが、国産も中東産の原油から精製するため、実質的な中東依存度は8割に上る。ナフサは、ビニールやポリエチレンなど暮らしを支えるさまざまな製品に変わる。農業で使う被覆資材、包装資材も同様だ。
JAグループは、「コスト」に着目した米の経営安定対策の充実について早急な検討を求めている。
ナフサの供給不安により農ビや農POフィルムなど、農業に欠かせない資材の需給逼迫と大幅な値上げが起きている。収穫し出荷しようにも、米袋やフレコンバッグ、食品パック類なども値上がりし、出荷制限も相次ぐ。原油とナフサの中東依存が招いた結果だが、調達の多元化に加え、リサイクルやリユースを積極的に進める必要があるだろう。
関東の米農家は、販売用の5キロ袋を追加発注できず、出来秋に不安を抱えたまま田植えをしていると明かした。万一、出荷できなければ食料需給にも影響する。農業と食品産業への優先的な資材供給に加え、価格高騰を緩和する支援策を検討すべきだ。
肥料は尿素を中心にさらに上がる。JA全農の秋肥価格で尿素(輸入大粒)は15%増。世界全体で見ると尿素は中東への依存度が高く、国際相場の高騰と円安で、日本の調達価格を押し上げている。リン、カリウムの価格も軒並み上がる。持続可能な農業に向けて耕畜連携、都市と農村の連携を強化し、家畜のふん尿や食品残さ、家庭の生ごみなどの未利用資源を積極的に活用する対策が求められる。
ハウスの加温に使うA重油の価格も、政府の補助金で一定に抑えられているものの、中東情勢次第で、価格は大きく変動する恐れがある。農水省は、燃料の高騰時に積立金から補てんする「施設園芸セーフティネット構築事業」への加入を促している。掛け捨てではない。万一の際、経営への打撃を抑えるために、加入を検討してほしい。
中東への輸入依存からの脱却は急務だ。ホルムズ海峡の事実上の閉鎖から2カ月余り、影響は次々に露呈する。資源国ではない日本が、食料生産を維持するには、輸入国の分散と国内の未利用資源の活用が欠かせない。ウクライナ危機から4年過ぎた。世界情勢が不安定な時だからこそ足元を固める必要がある。
「ナフサ含む揮発油は79%減」という毎日新聞の報道
もうメジャーの報道媒体も普通のことを報じるようになりましたね。…そもそも、このままの状態だと、インク等の問題で新聞自体が出せなくなるかもしれないのですから。
ナフサ含む揮発油は79%減 世界全体からの原油輸入量が大幅減
毎日新聞 2026/05/21
財務省は21日、4月の貿易統計(速報)を発表した。世界全体からの原油輸入量は448万キロリットルで、前年同月と比べ63・7%減少した。記録が残る1979年1月以降で最大の減少幅。イラン情勢の悪化でホルムズ海峡が事実上封鎖された影響が大きく表れた。
価格も高騰し、円建ての輸入単価は1キロリットルあたり10万1389円。3月の6万7695円から5割近く上昇し、初めて10万円を超えた。
日本が原油調達の9割超を依存してきた中東地域からの輸入が大きく落ち込んだ。数量は384万キロリットルで前年同月に比べて67・2%減少。供給混乱が続くナフサなどを含む「揮発油」は79・4%減となった。
政府や石油業界は、北米や中央アジアなどからの代替調達を急いでいる。
4月の米国からの輸入量は45万キロリットルで38・8%増加し、ナフサを含む「揮発油」は前年の206倍に増えた。
アメリカの戦略石油備蓄が過去最大の急減。操業最低ラインがさらに近づく
操業最低ラインとは、In Deepのこちらの記事にあります。事実上、石油の供給ができなくなるラインです。
戦略石油備蓄の在庫増減の推移(2024年11月〜)
zerohedge.com
はごろもフーズ社がシーチキンなど缶詰類を最大で33%値上げ
8月1日から値上げということですが、8月1日以前に「手に入らなくなる」とかいうような情勢にはなってほしくはないです。魚の缶詰は、非常時の最大のタンパク質補給物資ですからね。
食品新聞 2026/05/20
はごろもフーズは8月1日出荷分から、「シーチキン」をはじめ青魚パウチの「健康シリーズ」、パスタソース、乾物製品(削り節など)を値上げする。
中東情勢の緊迫化に伴う原油価格の高騰を背景に、シーチキン・乾物製品の主原料であるまぐろ・かつおの価格が著しく上昇している。さば原料は、ノルウェーさばの漁獲量減少などの影響で価格が高騰。空缶やパウチ・フィルムなどの容器包装資材や副資材、燃料費などが上昇し、製造コストが悪化しているため。
対象製品は家庭用114品、業務用46品、上げ幅は家庭用(参考小売価格/税抜)9.2~33.3%、業務用は9.2~33.3%の値上げとなる。
「シーチキン」は「シーチキンLフレーク70g缶」「シーチキンマイルド70g缶」など家庭用80品、参考小売価格(税抜)6.7~25%の値上げ。業務用は32品、9.2~33.3%の値上げ。
総菜類は、「さばで健康みそ煮」「いわしで健康煮つけ」(パウチ)など家庭用10品、参考小売価格(税抜)9.1~9.3%の値上げ。
パスタソースは「おさかなでPASTAさばの塩レモンソース(パウチ)」など計2品、同9.2%の値上げ。
乾物製品は「かつおパックはごろも舞2g5袋」「焙炒ソフトパックはごろも舞1.5g6袋」など家庭用計22品、同25~29.7%の値上げ。業務用は14品、15~30%の値上げとなる。
<転載終了>