In Deepさんのサイトより
https://indeep.jp/the-loneliness-pandemic-and-al/
<転載開始>

 

 

「社会における人間性の喪失」

ナチュラルニュースのマイク・アダムス氏が、最近、AI に関しての記事を投稿していました。

AIは一般大衆の知能を低下させ、認知能力の発揮を妨げている」というタイトルの記事です。

以下のように始まるものです。

2026年6月8日のナチュラルニュースより

序論:思想の危機

今日の AI の活用状況に関して言えば、私たちは市場の調整や IT バブルよりもはるかに危険な事態を目の当たりにしている。それは、人類の認知能力における前例のない崩壊だ。

人工知能をめぐる絶え間ない宣伝は、真の危機を見えなくさせていると私は考えている。それは、大衆が自らの思考を機械に委ね、デジタルな神託があらゆる質問に答えてくれるという利便性と引き換えに、自らの思考能力を犠牲にしているという危機だ。

その一方で、グローバリストのエリートたちは、シリコン製の神々を作り上げ、いつの日か人間の意思決定を時代遅れにする、あるいはさらに悪いことに、それを罰するような監視インフラを構築することに奔走している。

これは誇張ではない。AI の進歩に関して以前警告したように、人間の認知能力の優位性は揺るぎないという前提は打ち砕かれている。

Zero Hedge が報じたように、エッセイを書いたり病気を診断したりできるのと同じ技術が、孤独な男性を騙して画像に恋させる AI 生成の女性インフルエンサーを作成するためにも使用されている。

これは私が「大いなる愚鈍化」と呼ぶものだ。私たちの脳力を増幅するはずだったまさにそのツールによって行われる、ゆっくりとした自発的なロボトミーだ。それどころか、それらは私たちの脳力を損なっている。

naturalnews.com

ここまでです。

AI への過度な依存による「認知能力と思考力の低下」は言われ続けていることで、今年 1月には「脳の腐敗」ということに関しての以下の記事を書いたこともあります。

AI生成動画が広める若者たちの「脳の腐敗」が導くオール・イディオット社会まではわりとすぐかも
In Deep 2026年1月22日

 

この「脳の腐敗」とは以下のように定義されているものです。

オックスフォード大学が定義する「脳の腐敗」とは、「取るに足らない、あるいは挑戦的でない」ものであり、「人の精神状態や知的状態」を悪化させると考えられる。

それはともかくとしても、先ほどの In Deep の記事のタイトルに私は、

「若者たちの『脳の腐敗』」

と、私は、若者という言葉を使用していますが、「そうでもないのだな」と、実は先ほどのマイク・アダムスさんの記事にある、

> エッセイを書いたり病気を診断したりできるのと同じ技術が、孤独な男性を騙して画像に恋させる AI 生成の女性インフルエンサーを作成するためにも使用されて…

という記事のリンクを読んで知りました。

「高齢者たちで、AI の女性に恋をしている人たちが数多くいる」というのです。しかも、知らずに騙されているのならともかく、「 AI だとわかっても」それは止まらないらしい。

たとえば、以下のような女性(AI作成画像)もそういうインフルエンサーのひとりです。人間としては実在しません。アナ・ゼルという名前のモデルで、インスタグラムで 30万人以上のフォロワーを集めています。

30万人のフォロワーを誇る「実在しない」モデルのアナ・ゼルさん

NY Post

このことを最初に取りあげていたのは、もともとはニューヨークポスト紙でしたが、ゼロヘッジがそれを他の方向から記事としていました。

「社会における人間性の喪失」:高齢男性がAIが生成した女性インフルエンサーの洪水に恋をし続けている

A Societal Loss Of Humanity": Older Men Are Falling In Love With A Deluge Of AI Generated Female Influencers
ZeroHedge 2026/04/27

ニューヨーク・ポスト紙によると、高齢男性が AI によって生成された大量の女性インフルエンサーに次々と騙されているという

オンライン上で華やかなインフルエンサーが急増しているように見えるが、必ずしも見た目通りとは限らない。場合によっては、こうした人物は完全に人工的な存在であり、まるで本物の人間のように振る舞い、交流するように綿密に設計されたデジタル上の人物像なのだ

例えば、広くフォロワーを持つある MAGA (「アメリカを再び偉大に」運動)支持者のアカウントは、最終的に「インドの男が操作するアルゴリズムに過ぎない」ことが暴露され、こうしたアカウントがいかに巧妙に本物を模倣できるかが明らかになった。

それにもかかわらず、視聴者たちは依然として深く関わり続けている。

特に年配の男性を中心に、多くのフォロワーが「次から次へと夢中になっている」という。

専門家は、これは単なる欺瞞ではなく、より深い感情的なギャップが原因だと指摘する。この現象を「孤独のパンデミック」と表現する人もおり、人々が現実の人間関係ではなくデジタル上の幻想にますます執着するようになるにつれ、より広範な「社会における人間性の喪失」につながるとさえ述べている。

驚くべきは、これらのアカウントが必ずしも真実を隠しているわけではないということだ。

中には、AI であることを公言しながらも、依然として賞賛を集めているものもある。例えば、架空のインフルエンサーであるアナ・ゼル (※ 先ほど画像を載せた AI 生成女性)は、自らを「 AI インフルエンサー」と明確に名乗っているが、高級旅行、おしゃれな服装、美しい街並みといった憧れを抱かせるイメージであふれた、厳選されたフィードを維持している。

彼女の投稿には熱狂的な反応が寄せられ、フォロワーからは「大好きです…神のご加護がありますように」「あなたは本当に別格です」といったコメントが寄せられている。彼女が実在しない人物だと認識されていても、その魅力は衰えないようだ

ポスト紙によると、ポップシンガーとして登場するもう一人のデジタルキャラクター、ミラ・ソフィアにも同様の傾向が見られるという。

彼女のコンテンツにはスタイリッシュな動画やパフォーマンスが含まれており、プロフィールには彼女がバーチャルな存在だと明記されているにもかかわらず、ファンはまるで彼女が実在の有名人であるかのように反応している

「私の愛しい人」「私が愛するこの女性の音楽を聴いています」「愛しています」といったコメントは、彼女の真摯な感情的な関わりを反映している。

実在しないポップシンガーのミラ・ソフィア

心理療法士のジョナサン・アルパート氏は、この現象が起こる理由を次のように説明している。

人々は、実際に何かが本物である必要はないのです…ただ、それが何らかの反応を示してくれると感じたいだけなのです。…アカウントが魅力的で、一貫性があり、注意深いように見えると、脳はそのやり取りを意味のあるものとして扱い始めます。

言い換えれば、相手が実在の人物でなくても、感情的なつながりが形成される可能性があるのだ。

法廷心理学者のキャロル・リーバーマン氏は、この行動を社会的孤立と結びつけている。

たとえ利用者が何かが現実ではないと疑っていても、「何もないよりはまし」だと感じ、多くの人が「それが実在の人物である、あるいは実在の人物である可能性があると自分に言い聞かせる」。この錯覚は一種の感情的な代替物となり、現実世界での交流よりも簡単で、安全で、身近なものに感じられるのだ。

彼女は、これは「非常に悲しい事態」であり、「社会における人間性の喪失」だと述べた。

同時に、こうしたペルソナの背後にある技術は急速に進歩している。

AI によって生成された顔、声、動画は、いわゆる「不気味の谷」を超え、現実との区別がますますつかなくなっている。AI 専門家のハニー・ファリド氏が指摘するように、一部のアカウントは人工的な性質を明示しているものの、「コンテンツの大部分はそうではない」。

このため、ユーザーはしばしば気づかないうちに「騙されやすい」環境が生まれている。その結果、現実と虚構の境界線が曖昧になったデジタル空間が生まれている。

これらの AI インフルエンサーは現実世界には存在しないが、彼らが呼び起こす感情は本物であり、多くの人々にとって、その感情的なつながりがあれば十分らしい。


 

ここまでです。

このように、高齢者も AI に「心を奪われている」ようです。若い人たちのように、ショート動画(ショート動画の 33%に脳腐敗コンテンツの特徴があると調査でわかっています)を楽しんだりするわけではないにしても、自らの人間性を人工物が作り出す感情に対して放棄している状態のようです。

確かに現在の AI 画像にしても、AI 動画にしても、見抜くことは難しくなっているものが多いです。

たとえば、疑わしい動画などを「この動画は AI 生成ですか?」と AI に分析してもらっても

「どちらか明確には判定できません」

と返ってくることもあります。

AI にも AI が作成した画像を判定できないのなら、人間に判定できるわけがないです。

こんな世界が私たちが目指している世界だったのかなと思うこともありますが、もう AI が消えることはないですしね (AI 産業は衰退していったとしても)。

私自身、データを探してもらうとか、面倒くさい計算では、AI を使いますが(相変わらず AI は結構間違えますけれど)、あくまで計算機か電子辞書としてのツールでの使用だけに限るべきようには思います。

冒頭のナチュラルニュースのマイク・アダムス氏の記事のラストの部分をご紹介して締めさせていただきます。

大いなる驚異:AIに脳を奪われる

naturalnews.com

真の危機は、AI が私たちの仕事を奪うことだけではなく、私たちが自ら問題を解決するために必要な知的努力を自ら放棄していることにある

多くの人はもはや道順を覚える必要がない。Google マップが代わりにやってくれるからだ。文章を書く必要がない。ChatGPT がメールやレポートを作成してくれるからだ。議論をする必要がない。AI に問題解決を依頼できるからだ。

このように認知能力を大規模に外部委託することで、デジタル機器に頼らずには批判的に考えたり、問題を解決したり、証拠を評価したりできない世代が生まれている

複雑な推論は人間特有の特性であるという思い込みが、私たちを自己満足させてきた。しかし、本当の危険は内部にある。AI を無意識に使用し、自分の脳を働かせないと、自分の神経経路が萎縮してしまうのだ。

親は子供たちを AI 学習やスマートフォンから遠ざけ、画面越しではなく、庭や森、人との会話といった現実の場で考えることを教えるべきだ。この傾向を逆転させなければ、停電はおろか、単純な危機にも耐えられないような、知的依存型の人間を生み出してしまうだろう。

これは主権の問題だ。私たちを奴隷にする可能性のあるテクノロジーは、賢く使えば私たちを解放することもできる

鍵となるのはコントロールを維持することだ。生活を分散化し、データをローカルに保持し、自分に不利に働く可能性のある機械に判断を委ねてはいけない。

未来はアルゴリズムに屈服する人々のものではなく、現実をしっかりと見据えながらアルゴリズムを使いこなす人々のものだ。



<転載終了>