マスコミに載らない海外記事さんのサイトより
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2026/06/post-f901cc.html
<転載開始>


マーティン・ジェイ
2026年6月11日
Strategic Culture Foundation

 トランプにとっての危険は、イスラエルがヒズボラとイランの両方から一層深刻な攻撃を受けることだ。

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 トランプ大統領はイラン問題で抜け出せない罠にはまってしまったと評論家連中は良く主張するが、それはもちろん事実だ。しかし、彼には更に大きな問題が迫っており、それが彼を罠から完全に救い出すか、あるいは更に深くはまり込ませるか、どちらかになる。問題は、ビビだ。

 この二人の関係は、欧米評論家によって、しばしば詳細に論じられており、たいてい、どちらが、どちらを支配しているのかという文脈で語られる。だが今後数週間で、トランプとネタニヤフ首相の間で起きる、アメリカ大統領とイスラエル首相の関係が、これほど試される事態は、かつてなかったはずだ。

 トランプ大統領以上に、イスラエル首相は窮地に立たされている。トランプ大統領は中間選挙で両院の過半数を失うかもしれないが、弾劾手続きが進められる可能性は高いものの少なくとも大統領の座にはとどまれる。ネタニヤフ首相にとって、時間は遙かに早く進んでおり、11月以前に失脚し、これまで保留されてきた汚職容疑を避けるために亡命生活を送る可能性も十分ある。今後数ヶ月で、ネタニヤフ首相は数々の重大な課題に直面するが、中でも最も重要なのは、イスラエルの非常事態宣言を維持し、汚職事件捜査を保留する根拠のレバノン戦争をいかに継続させるかだ。レバノンはネタニヤフ首相の生き残りにとって極めて重要だが、アメリカが傍観する中、イランを爆撃しながら、レバノンでの作戦をどれだけ長く続けられるか疑問だ。前立腺癌はさておき、現在ネタニヤフ首相は、イスラエルで政治的支持を得ておらず、現在の連立政権では選挙に勝利できないだろう。現在のリクード党は、ネタニヤフ首相が就任した当時のような支持を得ておらず、選挙が近づいているが、彼が首相に復帰できない点で、ほとんどの評論家は意見が一致している。

 だが誰がイスラエルを支配しようと、他にも深刻な問題がいくつか浮上している。
 イランやレバノンとの軍事紛争のレベルをイスラエルが維持するのは到底不可能だ。資源が不足しているだけでなく、ネタニヤフ首相と話す軍幹部連中が深刻に懸念しているのは、現在のガザ地区とレバノンでの戦闘で、規律の欠如や、内紛や、士気低下により、イスラエル国防軍(IDF)が崩壊し始めていることだ。レバノンでは、光ファイバー・ドローンを駆使して大きな成果を上げているヒズボラとの戦闘で、毎日10人もの兵士が命を落としている。IDF脱走兵は国防幹部を悩ませており、イスラエルは戦力を過剰投入して、レバノン、シリア、そしてもちろんイランで、近年「大イスラエル」として知られるようになった領土拡大を目指す作戦を継続するのが不可能なことが明らかになりつつある。資源が不足しており、こうした野心的な企みの代償は益々明らかになりつつあり、特にレバノンでそれが顕著だ。

 イスラエル国防軍(IDF)は内部的に余り強くなく、現在のペースで脱走が続き、レバノンで現在直面している損失が続けば、機能不全に陥る可能性があると最近ネタニヤフ首相と会談した軍幹部らが指摘した。

 だが、ここ数日、イスラエルが再びアメリカとイランの和平合意の可能性を頓挫させる一方、イスラエル国防軍をレバノンに駐留させ続ける以外ネタニヤフ首相には選択肢がなく、僅か数週間前、合意成立がもっと容易に思えた時よりも、トランプ大統領にとって更に大きな頭痛の種になっている。トランプ大統領は、レバノンでの戦闘停止命令にネタニヤフ首相は従い、独断行動に出るなどと全く予想していなかった。その結果、テルアビブ街頭で大規模抗議デモが発生した。興味深いことに、国の能力や資源は無限だと信じ込み、レバノンを支配しなければならないという妄想的な考え方に囚われているのは実はイスラエル国民なのだ。

 ネタニヤフ首相が自分の命令に従わないことが明らかになった時、これ以上自らを辱めたくないため、トランプ大統領の命令は止まった。ここ数日、戦争の様相が一変したと主流メディアでさえ報じており、イスラエルは孤立無援となり、欧米諸国に対してイランが優位に立っていると伝えている。イランにとって、根比べが功を奏しているが、トランプ大統領にも、ネタニヤフ首相にも、それは、あてはまらない。

 トランプにとってイランに関する更に大きな悩みの種は、ネタニヤフ首相が今なお独断で行動を続け、イランが地域のアメリカ同盟国に更に激しい攻撃を仕掛けていることだ。テヘランがレバノンを包括的停戦の一環として挙げ、イスラエルに対し同国での軍事作戦を終了するよう強く要求していた直後の出来事だった点で、最近イランがイスラエルを攻撃したのは前例のない反応で、情勢を一変させる出来事だった。

 トランプが検討しているかもしれない考え方の一つは、ネタニヤフ首相の弾薬を枯渇させることだ。イランはミサイル供給を補充しただけでなく、より重要なことに、技術的にも強化しており、最新の弾道ミサイルは更に優れた能力を持っている。イスラエルで、国民が街頭に出て更なる戦争を要求している理由の一つは、彼らが自国プロパガンダの犠牲者になっているためだ。最近イスラエル報道機関が、イランの兵器庫が減少していると報じたが、アラステア・クルックなどの経験豊富で情報通の評論家によると、それは全く事実ではない。最近のインタビューで、イランは以前消費したミサイルを補充しただけでなく、軍事的に言えば、新たに生まれ変わり、今では更に致命的な兵器を持っており、アメリカによる最初の「バンカーバスター」作戦後に修理されたミサイル・バンカーの多くは完璧に機能しているとイランで暮らしたことがあるこの元イギリス外交官は主張した。

 イスラエルのイラン爆撃が事実上不可能に陥れば、トランプは再び優位に立つ。同じことがレバノンにも当てはまる。イスラエル国防軍は緩衝地帯の構築と維持に苦戦しているが、2000年以前あるいは現在に至るまで成功の兆しは全く見られない。当時イスラエル国防軍はレバノン南部のリタニ川までの地域を「怒りの葡萄作戦」と名付けた作戦で保持していた。

 友人ネタニヤフ首相の任期が残りわずかなことをトランプ大統領は考慮に入れるかもしれない。そして、レバノンでのイスラエル国防軍(IDF)の損失こそが、再び人々を街頭に駆り立て、ネタニヤフ首相辞任を要求する決定的要因になる可能性もある。実際IDF部隊の士気は、イスラエルが自国国境を越えて行おうとしているあらゆる活動の根幹であり、ネタニヤフ首相の政権維持にとって極めて重要だ。アメリカの世論調査では、アメリカ国民がイスラエルに反感を抱いていることが示されており、トランプ大統領はこれを好機と捉えるかもしれない。

 トランプにとっての危険は、イスラエルがヒズボラとイランの両方からより深刻な攻撃を受け、この小さなユダヤ国家を救うようアメリカが求められる立場に置かれることだ。アメリカがこの地域の主要同盟国に対し常に支援役を果たしてきた歴史を考えれば、トランプが何もしないのは非常に困難だ。鍵となるのは、もしそのような可能性が生じた場合、ビビを救うことで彼自身を救う方法だ。ビビの存亡は風前の灯火で、レバノンのイスラエル国防軍部隊が一つでも壊滅すれば、一瞬で崩壊する可能性がある。それは軍内部の反乱を引き起こすかもしれない。そして、ヒズボラがそれを知らないはずはない。

記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2026/06/11/how-much-longer-can-bibi-defy-trump-and-go-rogue-against-iran/

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