https://note.com/nakamuraclinic/n/n40bf018792bd
<転載開始>
抗生剤は(というかすべての薬は)、使わないで済むなら、使うべきではありません。たとえ抗生剤が必要となった場合でも、できれば、抗菌作用のあるハーブで対応したい。

高校生が「オレガノオイルが抗生剤(アモキシシリン)よりも効く」ことを証明したことがネットで一時期話題になった。こんなふうに、ハーブの有効性は、その気になれば、高校生にも検証できます。
しかも、こういうハーブが優れているのは、副作用のなさです。おまけに、薬剤耐性菌を作らない。「オレガノ耐性菌」なんて聞いたことがないでしょう。それどころか、薬剤耐性菌にも抗菌性を発揮するというのだから、そこらへんの抗生剤よりもあらゆる点で優れている。
以前の記事で、キニーネとイタドリの抗菌性について紹介した。

今の時期は、そこらへんにイタドリが生えている。これを使わない手はない。多分、ほとんどの人はそれを「雑草」と思っています。いや、そんな認識さえない。どこかの野山に生えているイタドリを失敬してきて、それをお茶として飲めばいい。あるいは、山菜として食べればいい。イタドリの甘煮付けなんて、とてもおいしいですよ。

やはり、以前の記事でニンニクの抗菌性に触れけど、

ニンニクに含まれるアリシンという成分は、細菌のDNAジャイレースを阻害する。これは、キノロン系抗菌薬の作用そのものです。ニンニクは「食べる抗生剤」と言えます。
歯医者に行った後、抗生剤を処方された。「副作用が心配だな。でも、歯科処置後の感染症も怖いな」とお悩みなら、数日間ニンニク料理を食べとけばいい。抗生剤みたいな副作用はない。ただし口臭が問題になるかもしれないけど(笑)

善玉菌、悪玉菌などと言うけど、こんなのは、人間目線から見た便宜的な分類にすぎない。たとえば、善玉菌の代表格と言われている乳酸菌ですが、これも状況次第では病気の原因菌になります。
シーボ(SIBO;小腸内細菌異常増殖症)では、乳酸菌がD-乳酸(右体の乳酸。L-乳酸は左体の乳酸で代謝可能だが、D-乳酸は代謝されにくい)を大量に産生し、これが腸から吸収されて全身をめぐる。ふらつき、ブレインフォグ、慢性疲労、めまいなどが起きます。
健康な女性の膣内では乳酸菌が優勢ですが、免疫が低下すると、乳酸菌が尿路系に進出し、感染症様の症状を起こす。重度の虫歯でも、虫歯の深い部分で乳酸菌が増え、大量に乳酸を産生し、歯を溶かす環境を作ります。
そこには、善も悪もない。100種類100兆個とも言われる腸内細菌は、互いに争ったり、ときには協力したりしながら、なんやかんやと陣取り合戦をやっている。別に「宿主である人間様のために」という奉仕の精神もなければ、「人間を困らせてやろう」という悪意もない。
ただ、腸内細菌も「生き物」だから、自らの生存のことを考えて、必死に生きようとする。宿主である人間が食べる食事が、彼らにとっても食事であり、それらを互いに奪い合っている。具体的には、糖、アミノ酸、鉄、ビタミンをいかに独占するか。これが彼らの課題です。

たとえば、乳酸菌、ビフィズス菌、腸球菌などは糖を原料として乳酸を作る。これにより、彼らの周囲のpHは7(中性)から4~5に低下して、酸性になる。酸性環境下では、腐敗菌、病原性大腸菌などが繁殖しにくい。これは彼らの生存戦略で、「自分は酸に強いが、相手は酸に弱い」という性質を利用しているわけです。

あるいは、エタノールを分泌する菌もいる。これも「自分はアルコール耐性があるが、周囲のアルコールに弱い菌をやっつけて、自分の生存を有利にしよう」という戦略だし、

過酸化水素を分泌する菌もいる。これにより、他の細菌の細胞膜、DNA、タンパク質を酸性化し、自分は生き抜こうというわけです。

もっと攻撃的に、バクテリオシンという抗生剤を分泌して、同種や近縁種の菌だけを狙い撃ちする戦略も使う。同種であるということは、エサとか生活環境が同じ(ニッチが同じ)、いわば「競合他社」なので、そいつらだけを撃退する武器を持っているということです。細菌同士の世界も、けっこう殺伐をしています。

意外に思われるかもしれませんが、細菌にとって、鉄は命です。エネルギーを作る酵素もDNA合成の酵素も、鉄なしでは作れない。つまり、細菌は鉄なしでは生きていけません。実際、細菌のいるシャーレ上に鉄溶液を1滴入れるだけで、細菌は爆発的に増殖する。
逆に、人間は腸内細菌の異常増殖を防ぐため、細菌に鉄を渡さない仕組みを進化させてきた。トランスフェリンもラクトフェリンもフェリチンも、全部鉄をしっかりつかまえることで、細菌が鉄を横取りするのを防ぐために存在する。
この、腸内の数少ない鉄をいかに奪い取るか、そのための細菌側の戦略が、シデロフォアです。分泌されたシデロフォアは、鉄と結びつき、その結合物を細胞内に取り込むことで、細菌は生きながらえる。シデロフォアを他菌に対して攻撃的に使うことで、他菌を兵糧攻めにすることもできます。
僕が「安易に鉄剤を飲むな」というのも、これが理由です。鉄剤服用者ではある種の細菌感染症のリスクが高まるとか腸内細菌由来のエンドトキシンが増えるとか、おかしなことがいろいろ起こる。鉄欠乏性貧血の女性とか「どうしても」という人は別だけど、基本、鉄剤は飲まないに越したことはありません。

胆石の原因について、一般に「コレステロールが高いから」などと言われるけど、これは違います。胆石を分析すると、細菌DNA(大腸菌、腸球菌、連鎖球菌など)や細菌由来多糖類が検出される。つまり、細菌がバイオフィルムを作り、そこにコレステロール、カルシウム、ビリルビンが沈着して、胆石ができる。これは歯石や動脈硬化の発生機序と似ています。つまり、胆汁酸の代謝によからぬ腸内細菌が関与していることが胆石の原因であって、決して「コレステロールが高いから」胆石を発症するのではありません。
この胆汁酸代謝も、腸内細菌にとっては、他菌を出し抜くための戦略のひとつです。

「人間が宿主というメインであり、腸内細菌は人間様の腸に間借りする従属キャラ」というのが、何となくのイメージだろうけれど、実際には、むしろ逆です。人間の健康も病気も、腸内で展開される細菌たちの戦争の影響を受けずにはいられない。「健康の帰趨は、腸内細菌のごきげん次第」というほうが実態に近いのだから、僕らは、腸内細菌に対して、もっと畏怖と感謝を持たねばなりません。
抗生剤を飲むという行為は、腸内細菌に対する不敬であり、侮辱です。宿主がこういうデタラメをすると、思わぬ形で彼らの報復を受けることになる。

40代男性「最近、やたらとふらつきます。家族は『酒を飲んでるでしょ。実際酒臭いし』というのですが、神に誓って言いますが、酒は一滴も飲んでいません」
医者が検査すると、血中アルコール濃度高値、呼気からもアルコールが検出されたことから、患者の嘘が確定した。あきれた医者はこう思った。「こんな真顔で嘘がつけるのだから、恐ろしい。アルコール依存症になれば、どんな嘘をついてでも、隠れ飲酒を続けるものだ」
しかしその後の詳細な問診で、症状出現の数か月前に抗菌薬を複数回服用していることが判明した。また、腸内細菌検査で、アルコール産生菌の異常増殖が確認された。糖負荷試験によるブドウ糖負荷の数時間後に血中アルコール濃度の上昇が認められたことから、診断は「アルコール依存症」から「自家醸造症候群(Auto-Brewery Syndrome)に改められた。
こっそりビールを飲んでいたのではない。ビールは、腹の中で作られていたのだ。これが本当の、ビール腹。。。
自家醸造症候群はそれほど珍しくなく、複数の症例報告がある。



自家醸造症候群は、ほぼ例外なく、
・抗菌薬投与後の発症
・それによる腸内細菌叢の破綻
・その表れとして、高アルコール産生菌(酵母など)の異常増殖
・糖質摂取後に血中アルコール濃度上昇
という特徴がある。
裏を返せば、抗菌薬を服用したことのない人がこの病気を発症することはない。つまり、正常の腸内細菌叢には「アルコール産生菌を抑え込む働き」があると推測できる。
従来、原因菌として、Candida albicans (いわゆるカンジダ菌)および Saccharomyces cervisiaeが主役と考えられていたが、近年の研究で、高アルコール産生型Klebsiella pneumoniae(肺炎クレブシエラ菌)が自家醸造症候群や脂肪肝に関与することが分かっている。

脂肪肝といえば、「酒の飲みすぎ」のイメージがあるが、NASH(非アルコール性脂肪肝)という病気がある。酒を全然飲まない中高年のご婦人が、医者から「脂肪肝ですね」などと言われて驚く、というのがひとつのパターンです。医者は、飲酒歴に加えて、抗生剤の服用歴についても問診すべきですね。
自家醸造症候群とまで行かなくとも、血中アルコール濃度が軽度に上昇している「隠れ自家醸造症候群」は恐らく潜在的に相当数いるはずです。

乳酸菌が乳酸を産生するのも、酵母がエタノールを産生するのも、周囲の他菌の増殖を抑制するためです。要するに、彼らは、自らの縄張りを主張するために、これらの物質を産生している。
ペニシリンなどの抗生剤も、結局のところ、この延長線上にあります。
<転載終了>
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やはり、以前の記事でニンニクの抗菌性に触れけど、
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やはり、以前の記事でニンニクの抗菌性に触れたけど、
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代替え医療
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代替(だいたい)医療
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法律的には、「代替え」ではなく「代替」だよね。
genkimaru1
が
しました