マスコミに載らない海外記事さんのサイトより
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2026/07/post-dbe11a.html
<転載開始>
Brian Berletic
2026年7月3日
New Eastern Outlook

 イランとの間で最近締結した「了解覚書」(MOU)に関し、アメリカは外交ごっこを続けており、署名後すぐに、アメリカが違反し、再交渉し、そして再び合意されたとされている。これは全面戦争の一時停止を利用して、必然的に起きる次の大規模攻撃に備えて、戦場を慎重に形成するためだ。

 

 一方、イランと同盟国に対して、アメリカは地域全体で恣意的攻撃を続けている。

 この過程は、外交自体が、戦争を防ぐ手段としてではなく、対イラン戦争の口実を作り出すために利用されることを認めて、長年アメリカ政策で展開されておいる。

 いわゆる「核合意」(包括的共同行動計画、JCPOA)違反や2025年から2026年にかけてアメリカ・イラン「交渉」中に、立て続けに行った米軍による二度の首脳部攻撃など、外交過程を意図的に裏切る数々の事例を通じてアメリカはこの政策を実行してきた。

 こうしたアメリカの二枚舌の最新章は、数十年にわたる西アジアを標的とする戦争に続くもので、アメリカは、この地域に支配を押し付け、イランだけでなく、イラン同盟国ネットワークをも標的とする干渉やテロ、軍事侵略を通じて、イランを徐々に包囲し孤立させている。

 イランの地域同盟国ネットワークが国家安全保障政策の要であることをアメリカ政策文書は長年指摘しており、防衛力や報復能力の観点から具体的に説明することさえある。
 この移行に必要な努力とエネルギーを受け止める準備が、世界にできているのか、それとも自己満足と近視眼的考え方が蔓延し、アメリカが権力と権益追求を続け、海外のみならずだ国内の多くのアメリカ人さえ犠牲にするのかは時間が経たなければ分からない。

 そのような論文の一つ、ランド研究所の2009年論文「Dangerous But Not Omnipotent: Exploring the Reach and Limitations of Iranian Power in the Middle East(危険だが全能ではない:中東におけるイランの影響力の範囲と限界を探る)」の「Iran Pursues a Multifaceted Regional Strategy Marked by Strengths and Limitations(強みと限界を特徴とする多面的あ地域戦略をイランは追求している)」という章で、下記のように説明されている。  
「イランの通常戦力は脆弱だ。耐え難い損害を侵略者に与える非対称的な国土防衛戦略への転換をイラン指導者たちは長年声高に主張している。この戦略の多くは『モザイク防衛』、ゲリラ戦や、バシジ民兵動員といった概念に基づいている。」
 そして、さらに  
「いわゆる代理勢力に対して、イランには限られた影響力しかない。従来型軍事力の劣勢を補うため、様々な非国家イスラム主義集団に、長年、財政的・軍事的支援をイランは提供してきた。革命防衛隊の教義によれば、この「周辺戦略」は、イランの国土防衛に戦略的深みを与え、敵陣深くまで戦いを仕掛けることを目的にしている。ハマスやヒズボラの場合、この戦略は、現状維持主義的政権運営に不満を抱くアラブ諸国の人々の間で、イランに正当性を与えることにも繋がっている。事実上、テヘランはパレスチナ問題などにおいて「アラブ人以上にアラブ的な」姿勢を示している。」

 イラクとレバノンの主要シーア派武装勢力を支援して、イランは一定の相互主義的対応を期待している可能性がある。特にアメリカによる攻撃が発生した場合、報復手段として、これら勢力が躊躇なく行動するのをイランが期待している可能性がある。
 従って、レバノンのヒズボラ、イエメンのアンサール・アッラー、あるいはイラクの人民動員部隊といった組織に対するイランの支援は、本質的には防衛的なもので、アメリカがイランに対する侵略戦争をアメリカ国民や世界中の世論に売り込む過程で、アメリカの政治演出で描写するような、非合理で攻撃的で、拡張主義的な強制政策や、更には「テロ」などでないことをアメリカ政策立案者は十分認識している。

 これはまた、イラン自身を孤立させ弱体化させるためには、まずイランが地域全体に構築してきた戦略的奥行きを弱体化させるか、完全排除する必要があることをアメリカ政策立案者たちが強く認識していることを意味する。

 そして、これこそが、まさに、少なくとも過去26年、レバノン、イエメン、イラクや、シリアにおけるアメリカの戦争、占領、代理戦争も含む、イランに関するアメリカの地域政策を推進してきた原動力だ。

 また継続的な対イラン攻撃の核心にも、それが存在している。「失敗した政権転覆」戦争だと多くの人は誤解しているが、実際は、同時に地域を遙かに超えてアメリカ政策を推進しながら、イランと地域における同盟関係を徐々に弱体化さているのだ。

 21世紀を通じて、アメリカはイランの同盟国を直接攻撃したり、あるいはペルシャ湾岸諸国やトルコの代理勢力など、イスラエルや過激派組織を含む地域代理勢力ネットワークを通して攻撃したりしてきた。2006年にアメリカが支援したイスラエルによるレバノン侵略戦争と、今年再び行われた侵攻は、結果がまちまちだった対イエメン戦争と、2024年にイランの親密な同盟国シリアを最終的に転覆した出来事を挟む形になっている。

 2000年から2026年までの地域地図を見ると、イランの同盟ネットワークをアメリカが徐々に包囲・排除し、今やイラン自体に直接戦争を仕掛けていることがわかる。

 こうした現実こそが、アメリカ・イラン間停戦には、地域におけるイランの同盟勢力、特にレバノンのヒズボラに対する停戦も含まれるべきだとイランが主張した理由だ。また、アメリカがイスラエルを通じて、レバノンのヒズボラに対する侵略戦争を継続した際、イランが覚書の一部条項を停止したのも、おそらくこうした理由からだ。

 それ以下の対応では、イランに対する「凍結された戦線」をアメリカに提供することに等しい。つまり、アメリカが軍備を再整備し、部隊や戦略を再編成するのを可能にする一方、地域におけるイランの非対称防衛戦略を徐々に弱体化させ続け、最終的に、近未来から中期的将来に、アメリカがイランに対し行うだろう避けられない大規模戦争に先立ち、アメリカに更なる優位性を与えることになる。

 悪質な戦争を遂行しながら平和を装う

 額面通りに受け取れば、そもそもアメリカがイランに要求を突きつけるという考え方は国際法に反する。北半球・西半球の北米に位置し、イランや(中東とも呼ばれる)西アジアから数千キロ離れたアメリカには、西アジアやイランに関して正当な権益や「国家安全保障」上の懸念は一切ない。

 アメリカは「エネルギーは自給自足」だと自慢するのは、西アジア情勢が何らかの形でアメリカの正当な権益につながるというアメリカのあらゆる主張を更に弱めるだけだ。

 「47年間」イランがアメリカ人を標的に殺害してきたという主張は、それらのアメリカ人が度重なる違法攻撃や占領や他地域での、いわれがなく弁解の余地がない軍事介入で、アメリカ本土よりイランに近い場所で活動していたアメリカ軍兵士だった事実を無視している。

 違法な侵略戦争を開始するためのあらゆるアメリカの口実と同様、これら攻撃の責任がイランにあるという実際の「証拠」は乏しい。

 同様に、ドナルド・トランプ大統領に対する暗殺未遂事件の背後に「イラン」がいたという主張も根拠のないものだ。これは容疑者とされる人物が、イランから指示を受けて暗殺を実行したと主張していることに基づいているが、これら主張が真実だと示す実際の証拠は存在しない。

 今や意図的に捏造された虚偽の口実に基づいていたことが認められている対イラク制裁や、弱体化工作、内部分裂工作や、最終的に侵攻と占領を再現するかのように、アメリカは自国本土から地球半分も離れた西アジアで、正当な根拠のない違法占領と支配を拡大しようとしており、真の狙いを隠そうとする努力はほとんど見られない。

 イランがアメリカ人を「殺害」し「核兵器」を追求しているという主張を、アメリカ政治家や政策立案者は繰り返すが、イランを従属させたり打倒したりするのは、中国を包囲・封じ込めるアメリカの狙いと、現在のアメリカ主導の一極世界秩序に代わるものとして中国や同盟諸国が提案する多極世界秩序を解体する狙いに直接資するという公然の認識が高まっている。

 イランと西アジアを超えて:アジアにおけるエネルギー支配

 西アジアを支配すれば、中国や他のアジア諸国へのエネルギー輸出をアメリカが抑制できるようになり、エネルギー輸入量の最大半分を代替するために中国は奔走せざるを得なくなり、他のアジア諸国は、アメリカへのエネルギー依存度を高めることになる。

 不安定な覚書の下、イラン港湾に対する独自封鎖をアメリカは解除し、イランのエネルギー輸出に対する制裁も解除するとされている。これは中国やアジアの他の国々に対する封鎖からの「撤退」だと解釈したくなるかもしれないが、ペルシャ湾における全エネルギー生産の18~20%が、アメリカのイラン侵略戦争によって混乱または破壊されており、復旧には数週間、数ヶ月、場合によっては一年以上かかることを指摘しておくべきだ。

 たとえ現在の覚書のあらゆる点が遵守されたにせよ、これだけでも2026年2月のアメリカの戦争で引き起こされたエネルギー危機の深刻化を助長し続けるはずだ。ワシントンはいつでも、自ら、あるいはイスラエル代理勢力を通じて、紛争を再燃させ、混乱または破壊された18~20%のエネルギー生産を再開させるためのあらゆる進展を攻撃し、覆せるのだ。あるいは地域全体に更に大きな混乱や破壊をもたらす可能性もある。

 アメリカは、イラン港湾に対する封鎖を縮小すると発表する一方、キューバに対する封鎖や、ロシアのエネルギー輸出を標的とする欧州海軍による継続的阻止作戦や、ウクライナによるとされてはいるものの、アメリカ情報機関と軍に組織・監督されているとニューヨーク・タイムズが認めたロシア船舶への海上ドローン攻撃などを通じて、世界各地で海上輸送を妨害し続けている。

 またしても、ワシントンが望む時に、いつでも、イランの海上輸送が再び標的にされ、妨害される可能性がある。その規模は以前と同程度かもしれないし、今年に入ってから、これまでよりも更に攻撃的な規模になるかもしれない。

 ペルシャ湾のホルムズ海峡から、アジア太平洋地域のマラッカ海峡までのあらゆる海域で船舶を拿捕する能力だけでなく、米軍艦艇から発射される対艦ミサイルや、同地域で活動する米軍機から発射されるミサイルを用いて、イランの対空・対艦能力の射程圏外にある船舶を標的として無力化する能力もアメリカは実証した。アメリカが望めば、臨検部隊による拿捕数を増やす能力がなくても、標的にして無力化する船舶の数を増やすのは容易に可能だ。

 地域全体のエネルギー生産をどの程度混乱させ、あるいは破壊したか、また地域からのエネルギーの海上輸送をどの程度阻害するのかをアメリカが管理することは、市場価格を管理し、侵略戦争でアメリカが意図的に引き起こした新たな経済危機に対処する上で極めて重要だった。アメリカ産LNGの長期輸出契約をアジア諸国が結ばざるを得ないほどの混乱をアメリカは引き起こした。このLNGは、不可解にも、それまで存在しなかった需要のために近年積み上げていたものだった。

 ホルムズ海峡が脅威にさらされ閉鎖されるようになったのが2026年であるにもかかわらず、これらプロジェクトの中には、2025年という比較的最近の時点で「係争中の水路」をセールスポイントとして挙げるものさえあった。

 だがアメリカは、西アジアからのエネルギー輸出の途絶だけでなく、アメリカによるそれらエネルギー資源の搾取の試みで、各国が自国を守るための緊急措置を講じるよう促すような壊滅的崩壊や危機を引き起こすことはしなかった。

 こうして、アメリカは、西アジアのエネルギー供給能力と、このエネルギーに依存するアジア諸国経済の両方を「計画的に破壊」して、アメリカ自身やアメリカによる世界安定転覆に対する統一戦線を引き起こさないようにしながら、西アジアへの依存を、徐々にアメリカへ移行させるのに十分な損害を与えているのだ。

 もし多極化する世界にアメリカが対応できなければ、アメリカは世界を自分のレベルにまで引きずり下ろす。

 多くの専門家が正しく指摘している通り、アメリカは西アジアのエネルギー輸出を代替するのに十分なエネルギー生産能力を全く持ち合わせておらず、ヨーロッパ全体のエネルギー需要を満たすのに十分なエネルギーも持ち合わせていない。だがヨーロッパとアジア両方のエネルギー入手を全体的に制限し、それに続く脱工業化を進めることは、ワシントンの最も差し迫った課題、すなわち産業、イノベーション、軍事力で急速にアメリカを追い越しつつある世界で、いかに優位性を維持するかという課題を解決することになる。

 ヨーロッパ、アジアや他の地域へのエネルギー供給を制限して、アメリカは人為的なエネルギー不足を作り出し、経済的挫折、脱工業化や世界的な地政学的弱体化という避けられない過程を引き起こそうとしているのだ。

 アメリカは、単独では、公平かつ開かれた市場で、中国と真っ向から競争する能力がなく、攻撃的な関税、制裁、禁輸措置、情報操作など、中国に対する優位性を確保するため、あらゆる手段を講じているにもかかわらず、事実上あらゆる指標で後れを取っている。あらゆる条件が同じなら、アメリカが全世界で競争し、支配力を維持できるなどというのは幻想に過ぎない。

 そのため、より攻撃的な手段が追求されている。過去の帝国が広大な地理的地域と人口に対し覇権を維持してきたのと同様の手段で、他国を分断し、弱体化させて、競争の必要性自体を回避するのだ。

 台頭する多極化世界が、破壊的で略奪的なアメリカ地政学に対抗する統一戦線を形成せず、各国を一国ずつ標的にして弱体化させるのを許容し続ける限り、アメリカが多極化世界の規模と力を管理し続け、最終的には、そもそも、アメリカがその台頭を促した中核諸国を孤立させ、封じ込めることになる。

 中国を除けば、どの国も単独ではアメリカに挑戦できない事実にアメリカは依存している。

 アメリカが、破壊工作、強制、侵略行為を、世界的脅威になる寸前のところで維持して、他国とのエスカレーションを慎重に回避しながら、個々の国に焦点を当てる限り、アメリカの覇権追求が世界全体にもたらす脅威を、完全に最終的に無力化するのに必要な統一的努力を世界の国々は実現できない。

 世界各国の支配層の利害は、余りに近視眼的かつ自己中心的で、過去数世紀の帝国と同様に、アメリカが、これら全ての国に対して、同時に明白かつ遍在的脅威をもたらさない限り、アメリカ覇権を覆すほど十分には協力はしない。

 その結果、他の国々全てが十分な行動を起こさないという理由だけで、今後もアメリカは支配的地位を享受し続けることになる。

 この転換に必要な努力とエネルギーを、他の国々が準備ができているのか、それとも自己満足と近視眼的な考え方が蔓延していて、その結果、海外だけでなく国内の大多数のアメリカ国民をも犠牲にして、権力と権益の追求をアメリカに続けさせてしまうことになるのかは時が経てば明らかになる。アメリカの攻撃に耐え、西アジアでのアメリカの野望を挫折させる能力は多極化の拡大を示しているイランは、この全体的な戦いのベクトル和の、いくつかの指標の一つに過ぎない。逆に、西アジアにおけるアメリカ覇権の持続と、それにより、世界の他地域にアメリカが混乱をもたらす能力は、現状における多極化の限界を示していると言える。

 Brian Berleticはバンコクを拠点とする地政学研究者、作家。

記事原文のurl:https://journal-neo.su/2026/07/03/the-us-war-on-iran-continues/

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 昨日のアンカラ発Reuters報道  
トランプは

イランについて「病んだ人々だ。病んだ人々に率いられている」と語った。

その上で「私に言わせればイランと関わるのは時間の無駄だ」と述べた。
 アメリカ最大属国庶民の一人として、

 トランプは「病んだ人だ。アメリカは病んだ人々に率いられている。」し
 「私に言わせれば、アメリカと関わるのは時間の無駄だ」と確信している。

<転載終了>