https://indeep.jp/half-of-the-world-s-farmers-are-poisoned-by-pesticides/
<転載開始>

農薬を撒くインドの農家。scidev.net
毎年農業人口の約半分が農薬中毒に
つい最近(2026年9月2日)発表された論文で、「世界の農業従事者の約半数が農薬の中毒被害を受けている」という調査結果を発表していました。
世界の農業人口は「約 9億3400万人」ですので、実に、毎年 4億人以上が農薬中毒となっているということになります。
論文の概要には、以下のようにあります。
論文より
結果:合計 139か国が対象となり、そのうち 62か国は 2006年から 2023年までの 214の記事で取り上げられ、さらに 77か国は WHO 死亡率データベースのデータで対象となった。
抽出された出版物によると、急性農薬中毒(UAPP)の年間症例数は約 369,632件で、内訳は死亡例 9,182件、非致死例 360,450件であった。このことから、世界中で年間約 4億200万~ 4億3,300万件の急性農薬中毒が発生しており、そのうち約 11,000件が死亡例であると推定される。
世界の農業人口は約 9億3,400万人であることから、これは農家の約 46%が毎年農薬中毒にかかっていることを意味する。非致死性の急性農薬中毒症例数が最も多いのは南アジアで、次いで東南アジア、東アフリカとなっている。
なお、この農薬中毒による年間約 1万1000人の死亡者数のうち、約 60%はインドで発生しているのだそう。
ここから、ふと思うことなどもあったのですが、まずは、この論文を取り上げていた、PAN (北米農薬行動ネットワーク)の記事をご紹介します。PAN は化学農薬や殺虫剤、除草剤などの削減の推進を目指す NGO ネットワークです。
世界の農家のほぼ半数が毎年農薬中毒で毒されている
Almost half of the world’s farmers are poisoned by pesticides every year
panna.org 2026/09/02
学術誌「Frontiers in Public Health」に掲載された 新たな研究によると、世界の農家や農業従事者のうち、毎年4億人以上が急性農薬中毒に苦しんでいることが明らかになった。この数字には、大人以上に有害化学物質に脆弱な、世界の農業に従事する8400万人の子どもたちや、農薬の飛散や環境曝露によって農薬にさらされる農村部の家族は含まれていない。農業から最も有害な農薬を排除し、より安全な代替品に置き換えるための対策が喫緊に必要とされている。
農家や農業従事者は、主に農薬の準備や散布時、処理済みの作物や汚染された農機具、衣服に触れる際に農薬に曝露される。
また、農薬に高度に汚染された食品を摂取することもある。急性農薬中毒とは、曝露後短時間(例えば48時間以内)に現れるあらゆる病気や健康被害を指し、よく見られる症状には頭痛、吐き気、嘔吐、皮膚の発疹などがある。
繰り返し曝露されると、すぐに症状が現れない場合もあるが、非常に深刻な病気につながる可能性があることに注意が必要だ。
この調査によると、非致死性中毒症例が最も多かったのは南アジアで、次いで東南アジア、東アフリカの順だった。国別ではブルキナファソが最も発生率が高く、農民と農業労働者の約 84%が毎年、意図しない急性農薬中毒(UAPP)を経験していた。
世界中で、意図しない農薬中毒による死亡者数は年間約 1万1000人と推定されている。研究者らによると、これらの死亡者の約 60%はインドという一国だけで発生しており、農薬使用における深刻な問題を示している。
英国農薬行動ネットワークの国際プログラム責任者であるシーラ・ウィリス博士は以下の述べる。
綿密な新たな調査により、世界の農家と農業従事者の約 50%が毎年、急性農薬中毒に苦しんでいることが明らかになりました。データ収集における体系的な不備が、この世界的な公衆衛生危機を覆い隠してきました。
医療へのアクセスが限られていること、臨床研修や農薬中毒を認識・記録するためのシステムが不足していることなどが原因で、報告漏れが依然として広範囲に及んでいます。苦しみの規模が明らかになった今、農家が自身と家族の健康を守るために、より安全な代替手段を利用できるよう支援する必要があります。
極めて危険な農薬が日用品として販売されるようになると、広範囲にわたる中毒は避けられない結果となる。
農薬による被害を農家のせいにすることは、経済的・実際的な制約が厳しい中で活動する個人にすべての責任を不当に押し付けることになる。
契約農家は特定の化学肥料の使用を法律で義務付けられていることが多く、また、農家は独立した農業生態学的指導が不足しているため、農薬販売業者の助言に大きく依存している。さらに、個人用保護具は高価すぎる上に、暑い気候では実用的ではない場合が多い。
特に農家や農業従事者にとって、意図せずして命を落とすことのない農薬中毒の深刻な負担は、死亡事故のみに焦点を当てる現在の政策の偏りを浮き彫りにし、国際的および国内的な政策や規制において、農薬中毒問題全体にもっと真剣に取り組む必要性を示している。
国連食糧農業機関(FAO)理事会による高危険性農薬(HHP)の段階的廃止勧告、および化学物質に関する世界枠組みの目標 A7(2035年までにHHPを段階的に廃止する)の実施が支援されれば、UAPP(非農業関連農薬)の負担を大幅に軽減できる可能性がある。
PAN ラテンアメリカの地域コーディネーターであるハビエル・ソウザ・カサジーニョ氏は次のように述べる。
ラテンアメリカでは、遺伝子組み換え種子を用いた単作栽培の普及に伴い、ヨーロッパで禁止されているものも含め、農薬の使用が過去 25年間で劇的に増加しました。
農民や労働者だけでなく、農薬散布地の近くに住む家族も影響を受けています。特に子どもたちは、これらの農薬が内分泌系に及ぼす影響を考えると、健康面で最も大きな影響を受けています。アグロエコロジーは、健康的な食料を生産しながら、農薬の使用を削減し、最終的にはなくすための道筋となるものです。
PAN Asia Pacificのエグゼクティブディレクター、サロジェニ・レンガム氏は次のように述べる。
南アジアと東南アジアが、非致死性の急性中毒の推定件数が最も多い地域リストのトップに立っていることに、私たちは危機感を抱いていますが、驚きはしていません。
この地域では、農民、農業従事者、女性、そして農村コミュニティが、急性および慢性の苦痛に日々苦しんでいるという証拠を私たちは目の当たりにしています。しかし、見過ごされがちなのは、この地域が農生態学に関する農民の知識、経験、そして技術に富んでいるということです。
アジア各地のコミュニティは、持続可能で農薬を使わない食料システムが実現可能であるだけでなく、すでに農民自身によって実践され、強化されていることを示しています。
PAN北米支部の事務局長アリソン・デイビス氏はつぎのように述べた。
世界最大の農薬会社であるシンジェンタ、バイエル社/モンサント社、コルテバ社、BASF 社は、地球上で最も危険な農薬を製造しています。
これらの企業は、危険な農薬を積極的に宣伝・販売することで毎年莫大な利益を上げていますが、その代償を払い、健康と命を落とすのは、グローバル・サウスの農民や労働者です。
これらの企業が、自国では規制または禁止されている化学物質を販売することを許すことで、各国政府は、健康に対する普遍的な人権を保護し擁護するという責務を完全に果たせていません。
ここまでです。
この中にも「インドでの農薬中毒被害が多い」ことが示されていますが、これは、インドが世界一の人口を持つ国という点では、ある程度はそうなるとは思います。インドは農業人口が非常に多いのです。
NEC の「インドの農業を変革する」というページによれば、
・インドで農業に従事する人の数は約 2億人以上
・全労働人口に占める農業従事者の割合は 55%(一説には 70%)
・総人口の約 7割(約 8億〜 9億人規模)が農村部に居住
となっているようです。
自分自身が農業に従事していなくとも(小さな子どもなど)、農村部で暮らしている中では、農薬の曝露を受け続けているはずで、そういう人の数が 8億人などに及ぶと。
そして、思い出すのは、現在、インドは「激しい出生率の低下に見舞われている」ということです。
インドも「劇的な出生率の低下」に見舞われている。首都ニューデリーの合計特殊出生率は1.2と日本並みに
2026年6月9日
農薬の生殖機能への影響
先ほどの PAN の記事に、
> 農民や労働者だけでなく、農薬散布地の近くに住む家族も影響を受けています。特に子どもたちは、これらの農薬が内分泌系に及ぼす影響を考えると、健康面で最も大きな影響を受けています。
という部分がありましたが、「インドの農業人口の多さが、この国の出生率の低下と関係しているのでは?」と、ふと思ったのです。
農薬の生殖能力に対しての影響は、かなりはっきりしていて、数多くの論文があります。
ひとつの論文の概要には以下のようにあります。
2025年8月25日の論文より
農薬が生殖系に重大な影響を与える可能性を考慮し、有機塩素系、有機リン系、ピレスロイド系、カーバメート系、ネオニコチノイド系など、さまざまな農薬クラスへの曝露に関連する男性と女性の生殖系の変化を調べたヒトを対象としたものを含む関連動物実験やi n vitro モデルに関するナラティブレビューを実施した。
主に様々な実験モデルで報告されている主な機能障害には、視床下部-下垂体-性腺軸の変化、卵巣および精巣の形態変化、閉鎖卵胞数の増加、精子運動性の低下などがある。
もう少し具体的に書きますと、農薬は以下のような影響を与えることがわかっています。
農薬の男性への影響
・精子数と濃度の減少
・精子の運動率の悪化
・精子のDNA断片化
農薬の女性への影響
・月経周期の乱れ
・妊娠能力そのものの低下
妊娠と胎児へのリスク cir.nii.ac.jp
・流産と死産リスクの上昇
・胎児の発達異常(先天性奇形、低体重、神経発達障害など)
これが、インドの農村部の 8億人などに影響を与えているとすれば、国の出生率そのものが低下していくのも理由としては、かなり明確なのではないでしょうか。
インドの出生率は、近年になって下がったのではなく、過去 60年間、一貫して下がり続けています。
1960〜2023年のインドの出生率と出生率ランキングの推移
georank.org
1960年には、合計特殊出生率が 6もあったインドが、2023年には 1.98と人口置換水準(人口を維持できる出生率。2.1)を下回っているのです。60年前の 3分の1になっているのですね。
出生率が下がり続けているのは、どこの国でも同じとはいえ、インドがこのようになってしまったことと、農業人口が 2億以上で、農村部に暮らす人口が 8億人から 9億人ということも多少は関係あるのではないかなと思った次第です。
現実として、たとえば、農業従事者の高齢化が進んでいる上に、大規模農業が多い日本や欧米などで「完全に農薬を使わない農業」というのは事実上、不可能ですけれど、ご本人たちが最も農薬の影響を受けているのだとすると、それはいいこととは言えないですね。
なお、2012年までのデータですが、「世界の農薬消費の比較」を見ますと、中国が圧倒しています(中国も激しい出生率の低下に見舞われています)が、以下のようになっています。(In Deepの参考記事)
農薬消費に関しての世界ランキング
ensia.com
これを見ると、日本の農薬消費量(5200万kg)は、インドの農薬消費量(4000万kg)より多いこともわかります。
これらの農薬消費が消えるということもなさそうで、農業従事者も、そして消費者も長く農薬の影響を受け続けていくのかもしれません。
なかなか難しい問題ですね。
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<転載終了>

印度では、ニームという害虫除去の原産の植木があるのに被害が大きいね。
ハックルベリーの冒険16章には、”GIVE A NIGGER(黒人) AN
INCH AND HE'LL TAKE AN ELL(英国の長さの単位で約40センチ程度)の英国の諺があり黒人を侮辱する。
ハザールマフィアや不法外人等に、軒下を貸せば、母屋を取られるという日本の諺になる。
人のいい印度人や日本人は被害にあうのだ。
genkimaru1
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