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http://www.y-asakawa.com/Message2011-2/ <欧州財務相会議開催> 欧州財務相会議にゲスト参加したガイトナー財務長官の発言に対する欧州側の反応は、冷ややかなものであった。 9月16日、ポーランドで欧州17ヶ国の財務相会議が開催された。 ギリシャをはじめとするヨーロッパ各国の財政危機が会議の焦点であることは言うまでもないことである。 その結果、7月に合意されたギリシャの大規模な新支援策(EFSF)(1090億ユーロ・12兆円)を実行に移すために各国が議会での承認を出来るだけ速やかに済ませることで一致したようである。 先のHPで私が予測したように、ギリシャ危機はこれでひとまず先延ばしされ、ユーロと株の暴落は小康状態を保つところとなった。 注目すべきは、この会議に米国のガイトナー財務長官がゲスト参加したことである。 欧州の財務相会議に特に呼ばれてもいないのに参加を要請し、よその国の財政問題に口を挟むということは異例である。 長官の発言は、「ギリシャは何ヶ月も破綻状態にあり、先の見えない状態が続いている。 早く行動に移るべきであり、欧州各国も支援のためにさらなる支援策を講ずるべきだ」というものであった。 この発言に対する欧州側の反応は、以下のように大変冷ややかなものであった。 「米国のファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)に関するデータはユーロ圏と比べてかなり悪いにもかかわらず、米国がわれわれに対し何をするべきか、いつ提案するべきかについて提言するのは、奇妙なことのように思える」、 「我々にはこれ以上の金がないので、資金の注入は出来ない。 また、ヨーロッパ諸国より財政状況が厳しい米国からの支援は受けるつもりはない」 欧州財務相側の発言をより率直に言うなら、「ギリシャ同然の財務危機にある国から、色々言われる筋合いではない。 それより、ご自分の国の財政健全化に取り組むべきではないか」というところである。 それにしても、苦しいフトコロ状況にあるあなたの国から支援を受けるつもりはない、というセリフは傑作ですらある。 こうした冷淡な反応を百も承知で、ガイトナー財務長官がわざわざポーランドに出掛けていったのには訳がある。 欧州の財務相が言うように、現在、米国そのものがギリシャと変わらぬほど厳しい財務状態にあり、欧州のちょっとしたことがきっかけで、本格的な景気後退に入り取り返しのつかない状況に追い込まれる可能性が強いからである。 ![]() |