https://nofia.net/?p=33095
<転載開始>
前回の記事「赤いオーロラ(強い地磁気攪乱)と精神的異常の関係」を示した論文をAIに検索してもらいました」では、回答がやや曖昧でしたので、さらに踏み込んで、以前、ネイチャー誌に掲載された「磁気が遺伝子に与える影響」についての論文を提示して、推測してもらいました。
このネイチャーの記事については、2021年の In Deep 記事にあります。
なお、引用した論文が英語のためか、回答の専門用語のほぼすべてが英語で返ってきまして(いやがらせかよ)直せるところは日本語にしています。
質問:オーロラとは異なる話ですが、磁気がDNAなどの遺伝子に影響を与えることは、このネイチャー誌の論文などで、何となくわかりますが、遺伝子への影響と精神的な部分への影響の関係はどうお考えでしょうか。
Grok の回答:
磁気がDNAや遺伝子に影響を与える可能性と、それが精神的な部分にどのように関連するのかという質問は、非常に複雑で、複数の科学分野を横断するトピックです。以下に、提供されたネイチャー誌の論文と関連する情報を基に、分析を試みます。
磁気とDNAへの影響
・ネイチャー誌の論文(2015年): 「遺伝子を標的とした神経系の磁気制御」というタイトルのこの論文 (リンク)では、経頭蓋磁気刺激 (TMS)が前部楔前部(precuneus)に影響を与え、否定的な自伝的記憶の想起を促進することを示しています。
・内容: TMSは、磁場を脳に適用することで神経活動を調節します。この研究では、楔前部(記憶と自己参照処理に関与する脳領域)が刺激されることで、ネガティブな記憶がより強く呼び起こされることが示されました。
・含意: 磁気が神経回路に直接影響を与えることが可能であるという証拠を提供しますが、DNAや遺伝子そのものへの直接的な影響については触れていません。
他の研究:
・DNA合成への影響: 以前の会話で触れた「静磁場のDNA合成への影響:DNAのキラリティーと磁場の左右非対称性の相互作用」という論文(リンク)では、静磁場 (SMF)がDNA合成に影響を与える可能性があると示唆されています。具体的には、DNAのキラリティー (「非対称性」や「掌性」を持つ性質)と磁場の左右非対称の相互作用が、DNA複製率に影響を与えることが報告されています。
・遺伝子発現への影響: 「アラビドプシスにおける高磁場誘導遺伝子発現変化」という論文(リンク)では、高磁場(15 Tesla以上)がアラビドプシスの遺伝子発現に影響を与えることが示されています。114の遺伝子が2.5倍以上の変化を示し、qRT-PCR (リアルタイムPCRを行い、遺伝子発現量を定量する手法)で確認されました。
磁気と精神的な部分への影響
・神経系の感度: 磁気が神経興奮性や神経回路に影響を与えることは、すでにいくつかの研究で示唆されています(例えば、TMSの研究)。これは、精神状態(気分、記憶、認知)に間接的に影響を与える可能性があります。
・遺伝子と精神疾患: 2025年1月23日のUNC 医学部の記事「研究によると、8つの精神疾患は同じ遺伝的原因を共有している」 (リンク)では、8つの精神疾患が同じ遺伝的要因を共有していることが示唆されています。多面的変異体が脳の発達に影響を与え、精神疾患の共通の症状に関与している可能性が指摘されています。
・含意: もし磁気が遺伝子発現やDNA合成に影響を与える場合、それらが精神疾患のリスク因子や表現型に間接的に寄与する可能性があります。
(※ ここからまだかなり説明が続くので略します)
結論
磁気がDNAや遺伝子に影響を与える可能性は、すでにいくつかの研究で示唆されています(DNA合成, 遺伝子発現の変化)。これらの変化が、長期的に見て神経発達や機能に影響を与える場合、精神的な部分(気分、認知、精神的健康)にも間接的に影響を及ぼす可能性があります。
しかし、現在の科学では、磁気が遺伝子に影響を与えるメカニズムと、それが精神疾患や精神状態にどのように変換されるのかという因果関係が完全に解明されているわけではありません。
TMSのような直接的な神経調節は、短期的な精神状態の変化を引き起こす可能性がありますが、長期的な遺伝子レベルの影響はまだ研究段階です。したがって、磁気と精神的な部分との関係は、あり得ると考えられますが、確定的な結論を出すにはさらなる研究が必要です。
2025年11月12日の出来事(赤いオーロラと強力な地磁気)も、こうした議論の文脈で考えると、特定の脆弱性を持つ個体に影響を与える可能性があるという仮説を支持するものと言えるかもしれません。
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