https://note.com/nakamuraclinic/n/nd045ea8c9b72
<転載開始>
患者の『お薬手帳』を見て、抗うつ薬や抗不安薬が処方されていれば、「これ、できればやめたいね」と水を向けてみる。反応は、「そう、私もやめたいと思っています」から「いや、デパスは私の命綱です。これだけはどうしても」まで、様々だ。
最初に結論からいうと、精神科の処方薬は、総じてろくでもない。あるいは少なくとも、長期間飲み続けてはいけない。急激に発症した精神症状で、自傷他害の恐れがある。そういう場合なら投薬もやむを得ない。しかし漫然と飲み続けるべきではない。
これは僕の意見ではなく、エビデンスがそう示している。
【統合失調症】
・統合失調症の予後は、インドやナイジェリアといった貧困国のほうがアメリカなどの富裕国よりもはるかに良好である。貧困国では抗精神病薬を定期的に服用するのは16%に過ぎないのに対し、富裕国では抗精神病薬の服用が標準治療である(WHO 1992)
・抗精神病薬により脳の形態的変化が引き起こされ、これが統合失調症の症状の悪化と関連している(ペンシルベニア大学 1998)
・統合失調症患者を15年間追跡した研究によると、抗精神病薬をやめた群の40%が寛解した一方、投薬群で寛解に至ったのは5%だった(イリノイ大学 2007)
・エンジェルダスト、アンフェタミンなど、精神症状を惹起する薬物はすべて、脳内でのD2受容体の発現を増加させる。抗精神病薬も脳内で同様の変化を引き起こす(トロント大学 2005)